管理人のイエイリです。
東日本大震災から今日で5年がたちました。津波や地震などの被害で亡くなられた方々には、あらためてご冥福をお祈りします。
地震に限らず、災害時には現場の状況をスピーディーに把握し、その情報を関係者や一般市民と共有することが大切です。そして、発展途上国などでは、この仕組みを低コストで実現することも求められます。
そこで富士通が富士通インドネシアとともに開発したのが、AR技術とスマートフォンを活用した河川の水位測定システムです。
AR(拡張現実感)とは、現実の風景と仮想のCGを合体させた映像を、人間が体験できる技術です。どうやってARで水位が測れるかというと、スマホのカメラ画面上に現場の水面のほか、
ナ、ナ、ナ、ナント、
仮想の水位計を表示
し、水面に仮想の計測線を合わせてタップする、という方法を使っているのです。
すると、水位が数値化され、スマホの画面や測定した人のコメントとともに、富士通のデータセンターに送信されます。
このデータは、河川情報システムのウェブサイト上に整理・公開され、河川管理者や市民がウェブブラウザーで見て、迅速な避難や防災対策が行えるというわけです。
自動的に河川の水位計測を行うシステムは、河川内に水位計やセンサーなどを設置するための設備投資がいりますが、ARを使った方法だと、現場に「ARマーカー」という看板を設置するだけで済むので、とても安上がりになります。
また、スマホのカメラ画面のズーム機能を使うと、仮想の水位計の目盛りも自動的に大きさが調整されるため、河川から離れた場所からでも安全に水位が測れます。
このシステムは2月23日から3月18日まで、
インドネシアで実証実験
が行われています。
リアルな水位計の代わりにAR技術によるバーチャルな水位計を使うというアイデアは、低コストだけでなく、現場周辺の映像も同時に記録できるので状況判断の際も大いに参考になりそうです。
また、水面の流れを指で追うようにすれば、流速の計測にも使えるかもしれませんね。