タイルを1枚ずつ打診・撮影!大林組が新型外壁検査ロボットを開発
2016年3月30日

管理人のイエイリです。

外壁がタイルで覆われた建物の検査は、これまで作業員がゴンドラに乗って、タイルを1枚ずつハンマーでたたいたり目視したりして、浮きやひび割れをチェック、記録するという手間ひまがかかっていました。

そこで大林組はこの作業を効率化するため、新型のロボットを使った外壁検査システムを開発しました。

20160330-image1

高層建物では外壁タイルが10万枚を超える場合もありますが、このロボットは

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

タイルを1枚ずつたたき、撮影

 

するという丁寧な作業を自動的に行うことができるのです。

3カ所に検査機構を備えたロボット

3カ所に検査機構を備えたロボット

ロボットには左右に伸縮するアームと、本体下部にスライド式の検査機構が搭載されています。

検査機構にはカメラと打診装置があり、カメラで目地を認識しながらタイルの中央部を1枚ずつ高速で打診すると同時に写真を自動撮影します。

そのため最大3600mm幅のタイル1列を10秒程度という高速で検査することができ、最大検査効率は毎時80m2(毎日約500m2)となります。

従来、同社はタイル検査用のロボットを本体部分にしか検査機構が搭載されていなかったため、窓の上下を検査することができませんでしたが、今回はこの部分も含めて自動的に検査できます。

以前のロボット(左)は検査できない部分があったが、今回は検査可能になった(右)

以前のロボット(左)は検査できない部分があったが、今回は検査可能になった(右)

1枚ずつ撮影されたタイルの写真

1枚ずつ撮影されたタイルの写真

打診したときの打音データは、リアルタイムで解析し、タイルの浮きの有無を診断し、タイルの写真とともに

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

位置情報を加えた診断結果

 

として保存されます。

タイル診断結果。色分けでタイルの浮き状態などが見える化される

タイル診断結果。色分けでタイルの浮き状態などが見える化される

自動集計された報告書のイメージ

自動集計された報告書のイメージ

このシステムを使うと、劣化の多い建物の場合は、診断結果を立面図に手書きする方法に比べて、報告書作成の期間を約50%に短縮することができるそうです。

建物の維持管理ロボットは、今後、ますます進化していきそうですね。

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