管理人のイエイリです。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトで設計やプレゼンテーションを行う上で、大きな悩みとなっているのは、ソフト間のデータ連携です。
建築用のBIMソフト同士でもデータ交換が難しいのに、機械系の3次元CADで作った家具や備品をBIMモデルの中に取り込もうとすると、データ交換はさらに難しくなります。
キヤノンITソリューションズ(本社:東京都品川区)は、建築系CADと機械系CAD間のデータ連携をスムーズに行える新しいCADソリューションを開発し、2016年5月30日に発売することになりました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
VectorworksとSOLIDWORKS
の間でスムーズな3Dモデルデータの連携を実現したのです。
Vectorworksはエーアンドエー(本社:東京都千代田区)が販売するBIMソフト、SOLIDWORKSはキヤノンITソリューションズが販売する機械系の3次元CADソフトです。
今回のデータ連携によって、SOLIDWORKSを使って設計した家具や備品の3Dモデルを、Vectorworksで設計したBIMモデルの中に取り込み、内観パースなどを作ることが簡単にできるようになりました。
片や建築系、片や機械系のCADソフト同士を連携させるのに使ったファイル形式はIFCでもDWGでもなく、「Parasolid X_T」というものです。
実はVectorworksとSOLIDWORKSは、ソフトの中核部分に
Parasolid
という共通のコアエンジンを採用しており、Parasolid X_Tは共通のファイル形式だったのです。
この形式を使ってデータ交換すると、“ネーティブ言語”で会話しているようなものなので、線や面、色、テクスチャーなどのデータが抜け落ちることもありません。
キヤノンITソリューションズはVectorworksとSOLIDWORKSのほか、導入支援サービスや初期教育、保守などを含めた「設計製造業向けCADソリューション」として5月30日に発売します。価格は150万円(税別)からとなっています。
エーアンドエーは2014年にキヤノンITソリューションが属するキヤノンマーケティングジャパンの傘下に入りました。その経営統合効果が今、建築系と機械系のCAD連携という形で具体的に出てきたことに注目したいです。