管理人のイエイリです。
3Dモデルとバックホーを使って、オペレーターだけで盛り土や切り土を施工する「マシンガイダンス」という情報化施工の方法は、国土交通省の「i-Constrution」の推進もあり、全国で普及しつつあります。
ただ、マシンガイダンスに対応した重機を使うためには1000万円近い投資が必要なので、便利なのはいいけど初期コストが大変、という声が根強いので、導入をためらっている建設会社も少なくありません。
そこで北海道湧別町に本社を置く沢口産業は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
マシンガイダンスをDIY
で自作してしまったのです。
同社は昨年11月、建設システムの「快測ナビ Std」という現場の位置出し・観測システムを導入しました。
トプコン製の「LN-100」という3Dモデル対応の墨出し器を使い、プリズムとタブレット端末で3Dモデルに対応した位置を現場に落とし込むシステムです。
このシステムだけでも、重機オペレーターと地上の作業員の2人1組で丁張りなしの施工を行うことができます。
そこで沢口産業土木部課長の丹野了さんがひらめいたのは、プリズムをバックホーに取り付け、タブレット端末の画面をオペレーター自らが見られるようにすることでした。
この方法を採用することにより、丁張りや地上の作業員なしで、オペレーターだけによるバケットの位置を確認しながら、効率的に法面仕上げができるようになりました。
このシステムを開発する上で課題となったのは、いかにプリズムを鉛直方向に立てるかということです。
そこで丹野さんは、バケットに取り付けたプリズムと、その横に取り付けた振り子に目印を取り付け、バケットが所定の角度になったとき、両者の目印が合うようにしました。
沢口産業では重機整備などを行う工場を持っているため、プリズム取り付け金具や振り子などは端材を利用して自作しました。
その結果、このマシンガイダンスシステムの作成にかかったコストは、快測ナビとLN-100の導入にかかった
約150万円だけ
で済んだのです。この値段なら、マシンガイダンスもぐっと身近になりますね。
現場技術者のアイデアと発明力はすばらしいですね。同社ではさらにこのシステムを改良していく方針です。