トンネル線形からCIM!手軽に使える大成建設の「T-CIM/Tunnel」
2016年9月13日

管理人のイエイリです。

土木工事では様々な現場でCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)が導入されていますが、悩みのタネは煩雑な3次元CADの操作です。

そこで大成建設は手軽に操作できる山岳トンネル用のCIMシステム「T-CIM/Tunnel」を開発し、実際の施工現場に導入しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

トンネル断面と線形データ

 

から、自動的に簡易3Dモデルを作れるのです。

この3Dモデルの各部分に、品質管理や出来形管理などの様々な施工管理情報や、安全管理、警報通知などの現場情報、そして帳票や資料などの書類情報をひも付けすることにより、CIMモデル化します。

そして、このCIMモデルを通じて上記の情報を一元管理し、現場関係者全体で情報共有する、というものです。

同じ情報でも、文字や数字で見るのではなく、CIMモデル上に色分け表示などを行ってみることで、よりわかりやすくなりそうですね。また、3次元CADを使わなくてもいいので、現場で手軽に施工管理用のCIMモデルが作れそうです。

「T-CIM/Tunnel」の全体構成イメージ(以下の資料:大成建設)

「T-CIM/Tunnel」の全体構成イメージ(以下の資料:大成建設)

CIMモデルにひも付けるデータの入力ツールには、Windows版のタブレットパソコンを使います。

例えば、トンネル最前線の切羽では、タブレットPCを使用して切羽状況を写真撮影したり、データを加工したりして、観察データを入力・記録します。

その結果、切羽観察シートの作成を「現場」で完了できるので、作業の効率化を図れます。

CIMモデルにひも付けるデータの入力には、Windows版のタブレットパソコンを使う。切羽観測の例

CIMモデルにひも付けるデータの入力には、Windows版のタブレットパソコンを使う。切羽観測の例

こうして入力された切羽観察記録や掘削管理、施工管理情報などのデータは、サーバーを介して工事関係者間で共有できます。

大成建設では、今後、このシステムを新規受注工事に積極的な導入を図り、2017年度以降は

 

全トンネル現場への展開

 

を目指しています。

大成建設は、コンクリート工などの共通工種と、ダムやトンネルなどの専門工種を組み合わせた「T-CIM」(登録商標)というシステムを独自に開発し、対応する工種を拡大しています。

CIMやタブレットパソコンの大々的な活用によって、工事現場の施工管理スタイルも、変わって行きそうですね。

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