空調制御をIoT化!ダイキン工業が“激安無線WAN”への接続実験
2016年11月17日

管理人のイエイリです。

世の中にある様々な物体に通信機能を取り付け、そのデータを集めてコンピューターで遠隔監視や自動制御を行うIoT(Internet of Things、モノのインターネット)に期待が集まっています。

建築や土木の世界でも、橋に加速度センサーを取り付けてそのデータを遠隔監視したり、ガスや水道などの検針をデータ通信で行ったりと、様々なIoT的なニーズがあります。

ところが問題は通信料金です。携帯電話などのモバイル通信網を使うと、1回線当たり安くても毎月数百円はかかってしまうので、多数のセンサーを使う場合、かなりの通信費がかかってしまいます。そこで費用対効果を考えると「やっぱりやめた」ということが多かったのです。

そこで最近登場してきたのが、LPWA(Low Power Wide Area)という省電力広域無線通信網です。通信速度は毎秒数百ビット~数キロビットと少ないものの、数キロメートルの長距離通信ができます。そして通信コストは激安で、事業者によっては1回線当たり

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

月数十円、年間1ドル

 

といった感じの安さで利用できるのです。

これくらいのコストなら、インフラの監視、交通量の測定、土留め壁の監視など、様々なIoTシステムを作るハードルが下がりそうですね。

LPWAの活用イメージ(資料:NTT西日本)

LPWAの活用イメージ(資料:NTT西日本)

LPWAは従来の通信方式になかった低消費電力、長距離通信の分野を担っている(資料:NTT西日本)

LPWAは従来の通信方式になかった低消費電力、長距離通信の分野を担っている(資料:NTT西日本)

西日本電信電話(NTT西日本)は、LPWAのうち「LoRaWAN」という方式を採用したネットワークを提供し、2016年6月から「LPWAネットワークを活用したフィールドトライアル」という、様々な企業と連携したIoTサービスの実証実験を行っています。

このトライアルにこのほど、大手空調機器メーカーのダイキン工業が参加しました。

トライアルの内容は、西日本エリアにあるダイキン工業の空調機をNTT西日本のLPWAに接続し、空調機の稼働状況や屋内外の空間情報を常時、監視するというものです。

LPWAによって空調機の故障情報や、屋内外のセンサー情報の収集手法を確立するのが目的です。そして故障機器の特定や故障内容の診断、突発故障時の対応にかかる時間を短縮することを期待しています。

トライアルのシステム構成(資料:ダイキン工業)

トライアルのシステム構成(資料:ダイキン工業)

さらにダイキン工業は空気センシング情報により、花粉やPM2.5などのリアルタイム情報や予報サービスなど、

 

空気にまつわる新たな価値

 

を追求していくそうです。

LPWAによって目指す新たな価値(資料:ダイキン工業)

LPWAによって目指す新たな価値(資料:ダイキン工業)

通信するデータ量はごくわずかだけど、数多くのセンサーから情報を集めたいというニーズには、LPWAは最適ですね。アイデア次第で、建築・土木のIoT化を加速するツールになりそうです。

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