管理人のイエイリです。
街を走るクルマと移動したい人をつなぐ「Uber」や、余っている部屋と泊まりたい人をつなぐ「Airbnb」など、世の中ではマッチングビジネスが急成長しています。
米国などで先行してきたこれらのサービスをじっくり研究し、内装会社と店舗を改装したいオーナーをつなぐマッチングビジネスとして2014年7月に立ち上がったのがオンラインショールーム「SHELFY」です。
2015年1月26日の当ブログでは、サイトを運営するシェルフィー社長の呂俊輝(ロイ・シュンキ)さんをはじめ、6人の社員が奮闘する起業直後の同社の様子をお伝えしましたが、その後、急成長していることが明らかになりました。
2016年12月現在の同社は、東京・表参道に新しいオフィスを構え、社員は12人となり、仲介した工事の件数は863件を超え、発注総額は
ナ、ナ、ナ、ナント、
100億円を突破
したのです。(2016年9月現在)
クラウドサーバーで稼働するマッチングビジネスとはいえ、最初の時期は良質なサービスを提供する企業や人を集めるのが課題となります。
あのUberも、タクシー的なサービスを提供してくれる最初のドライバーを1000人確保するのに大変な手間ひまをかけたそうです。
SHELFYもご多分にもれず、サイトに登録してくれる内装会社や作品例の良質な写真を集めるために、社員が地道に内装会社のもとを訪問し、協力的で良心的な内装会社を発掘。サイトに登録していきました。
店舗をリニューアルしたいオーナーと内装会社のマッチングも、社員がオーナーにヒアリングしてニーズや条件を吸い上げ、整理した後で内装会社の候補をサイトに登録した内装会社のデータベースから探して行うという地道なスタイルをとり、実績を積み重ねてきました。
その結果、工事の発注総額100億円突破と、大手オーナーなどのリピーター獲得につながったのです。さらに、内装会社がどんな物件や分野に強いのかという評価情報も蓄積できました。
そして、同社は2016年12月から、これらのデータや実績を生かして、オーナー側の案件情報をSHELFYのデータベースに登録し、アルゴリズムで最適な内装会社を自動抽出する新しいシステムを稼働させました。
この新システムでは、オーナーが案件を登録してから、内装会社が見積もり参加を決める意思決定期間が、
最短で2日と大幅短縮
されたのです。
これまでのマッチング業務を通して、見積もりまでの時間が長くかかってしまう原因は、オーナー側が物件の内容や条件などの情報を「小出し」にすることでした。
そこで、SHELFYはオーナーから詳しい物件情報を最初に登録してもらい、内装会社側は費用を払って情報を閲覧するというスタイルにしました。
内装会社も費用を払う以上、本気で取り組めそうな物件を真剣に選び、情報を閲覧することになります。限られた人しか物件情報が見られないので、オーナーは安心して物件情報を提供でき、内装会社はスピーディーに魅力ある物件を選べ、SHELFYももうかる、と“三方よし”のシステムというわけです。
SHELFYはスタートアップ時の地道な努力と実績をもとに、いよいよITによる本格的な成長期を迎えたのでしょうか。今後の展開が楽しみになってきました。
(訂正)
初出時に「デザイナー」としていた部分を「内装会社」に、新システムの稼働開始時期を2016年12月に訂正します。(2017年1月5日、20:56)