管理人のイエイリです。
IoT(インターネット・オブ・シングズ=モノのインターネット)とは、実物の建物や設備などの状態をデータ化して集め、コンピューターを使って情報を分析やシミュレーションを行い、現場に対して最適なフィードバックを行うというのが、基本的なイメージです。
少子高齢化の環境の下、老朽化しつつある社会インフラを効率的に維持管理するために、今後、IoTの活用は欠かせないものになるでしょう。
社会インフラといっても様々ですが、IoTでどんなものを管理すれば効率的なのかということについては、思案中の建設関係者が多いのではないでしょうか。
不動産の運営・管理を展開するザイマックス(本社:東京都港区)と、各種センサーを展開するオプテックス(本社:滋賀県大津市)は、IoTを活用し、建物の新しい運営管理サービス構築を目指す取り組みを始めました。
両社が第一弾として選んだIoTの活用分野とは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ビルの看板
だったのです。
最近、建物の壁面などに取り付けられた看板が老朽化し、落下する事故が全国で多発しています。
看板は、アクセスしにくい高い場所に取り付けられ、日光や風雨にされされる過酷な環境で使われています。
しかし、点検方法がまだ確立しておらず、これまでは目視や触診による点検が中心で、状態を数値化して管理するまでには至っていませんでした。
そこで両社は、東京都、愛知県、大阪府にある20基の看板を対象に、IoTで維持管理する実証実験を始めました。
傾きや揺れを計測するセンサーを看板に設置し、そのデータをクラウド上に蓄積。データの推移をコンピューターで追跡しながら、日常の遠隔監視や維持管理計画、点検作業、補修工事までを行います。
なるほど、これまでは看板の取り付け部分などの外観を目視で点検していたのに対し、看板の傾きや揺れを
データで監視
することで強度に変化が起こったときなど、すぐにわかりそうですね。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の3Dモデルと、こうしたIoTを組み合わせることで、ビルや構造物を見えない部分まで含めた維持管理が効率的に行えそうですね。
オプティクスは、様々なセンサー技術を持っていますので、今回の実証実験が成功すればさらにIoTによる維持管理の対象分野は増えていきそうです。
両社が今後、どのような維持管理ビジネスを生み出していくのか、注目していきたいと思います。