管理人のイエイリです。
日本では最近、施工段階でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用が盛んになりつつあります。
このほど、韓国・ソウルから来日したPMIコレア社(PMI KOREA)のキム・マンス(金萬洙)さんも、施工BIMを行っている技術者の一人です。
しかし、使っているソフトはというと、
ナ、ナ、ナ、ナント、
Digital Project
なのです。
Digital Projectとは、自動車や航空機などの製造業で幅広く使われているダッソー・システムズの3次元CAD、CATIAを建設分野向けにカスタマイズしたバージョンです。
同社は2012年9月に創業、15年6月に法人転換したばかりの新しい会社ですが、製造業でのCATIA経験者の力も生かして、建設分野での意匠設計から構造モデリング、干渉チェック、そしてプレハブ化のための生産設計まで、一連の3D設計を手がけています。
3Dモデルから2Dの施工時、製作図の作成や、複雑な曲面デザインは保ったまま同じ形の平面要素に分割して施工費を大幅に下げるなどの生産設計も行っています。
キムさんは、以前、日本で8年間ほど製造業分野で働いた経験があるため、日本語もペラペラです。そのため、PMIコレア社の技術的な実務をこなしながら、日本語担当者としても活躍しています。
こうした技術力を日本の建設業界でも生かしたいと、自ら日本語訳した手作りの資料を持参し、丁寧に説明してくれました。
日本の建設業界では、まだあまりDigital Projectの活用例は目立っていませんが、大規模なプロジェクトを生産設計レベルまで詳細化していくときには、強力な武器になりそうですね。
一方、Digital Projectを建設業界で使いたくても、教えてくれる学校などはあまり見かけません。
でも大丈夫。同社ではDigital Projectの
教育支援サービス
も行っているからです。
キムさんに頼めば、建設業界での実例に裏打ちされたDigital Project活用法が日本語で学べそうですね。
日本と韓国の間には今、いろいろと問題もありますが、個人や技術者同士の間では、交流や連携があってもいいのではないかと思う今日この頃です。