iPadで“AI先生”がすぐ回答!地盤ネットHDの「スマート地盤システム」
2017年2月22日

管理人のイエイリです。

一戸建て住宅を建てるときに行う地盤解析は、地盤のボーリング調査結果や土質、音感、さらには支持力・沈下量計算や建物周辺の地形など、様々なデータをもとに人間が総合的に判断してきました。

この事業を手がけてきた地盤ネットホールディングス(本社:東京都千代田区。以下、地盤ネットHD)はこのほど、iPadを使った一戸建て住宅用の地盤解析システム「スマート地盤システム」を実用化しました。

iPadに現場の状況やボーリング調査結果などのデータをアプリに入力し、サーバーに送ると、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

iPad上で“AI先生”が回答

 

してくれるという画期的なシステムなのです。

“AI先生”とは、もちろん人工知能のことです。技術的な開発は子会社の地盤ネット総合研究所(本社:東京都千代田区)が行いました。

調査現場からiPadアプリで地盤調査結果を送るときの画面(以下の資料:地盤ネットホールディングス)

調査現場からiPadアプリで地盤調査結果を送るときの画面(以下の資料:地盤ネットホールディングス)

入力データの内容

入力データの内容

「スマート地盤システム」によってAI解析が自動実行され、iPad上には瞬時に、このような地盤の判定結果が表示される

「スマート地盤システム」によってAI解析が自動実行され、iPad上には瞬時に、このような地盤の判定結果が表示される

地盤ネットHDでは2016年からAIの研究を開始し、これまでに行った十数万件の解析物件データを「ディープラーニング」という機械学習技術によってAIに覚え込ませました。

そして改良と検証を繰り返した結果、同社の解析基準に合った高い信頼性の解析結果を導き出せるようになり、今回の実用化に踏み切ったとのことです。

地盤解析の依頼を住宅会社から受けると、現場で行った地盤調査のデータをスマート地盤システムに送ります。そして、AIから帰ってきた回答を住宅会社にメールで送信するという、ワンストップサービスが実現しました。

人工知能を活用した地盤解析のワンストップサービスの流れ

人工知能を活用した地盤解析のワンストップサービスの流れ

最近のAIは賢くなってきましたね。1960年代の第1次AIブームは論理的な推論や探索、80年代の第2次ブームは知識表現がそれぞれテーマでした。

これらの時代は、人間の考え方やルールをプログラム化し、コンピューター上で再現する地道な作業が必要でした。

ところが、最近の第3次ブームは「ディープラーニング」という機械学習によって、入力データと判定結果をどんどん覚え込ませるだけで、コンピューターの方がだんだん賢くなり、入力データを与えると自分自身で判定が行えるようになったのです。

“AI先生”からの回答を見てみると、

 

考察まで日本語で作文

 

してあるのに驚きます。

“AI先生”からの回答結果には考察まで自然な日本語で書かれている

“AI先生”からの回答結果には考察まで自然な日本語で書かれている

地盤ネットHDでは、今後、このシステムに過去の不同沈下データと地震などによる災害現場のパターンを学習させて再発防止を図るほか、AIによる統一した解析基準を徹底活用することで人によるばらつきを解消させることを目指しているとのことです。

「経験と勘」がモノを言う建設業界では、様々な業務でディープラーニングやAIが活用されていきそうですね。

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