点検から施工まで!積水ハウスが戦車タイプの床下防蟻処理ロボを実戦配備
2017年3月14日

管理人のイエイリです。

住宅の維持管理用ロボットといえば、当ブログでもこれまで大和ハウス工業の「moogle(モーグル)」や、日立アドバンストデジタルの「点検支援ロボット」などを紹介してきました。

“彼ら”のミッションは、狭くて人が入りにくい床下を縦横無尽に走り回り、を映像や写真などで記録することでした。

この床下ロボ界も、進化しつつあります。積水ハウスグループが賃貸集合住宅向けに開発した「スプロボ」は、床下の点検にとどまらず、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

床下防蟻(ぼうき)処理工事

 

を施工することができるのです。

 

上部に砲身のようなものを搭載した「スプロボ」(以下の写真:積水ハウス)

上部に砲身のようなものを搭載した「スプロボ」(以下の写真:積水ハウス)

 

砲身のようなものから遠隔操作で防蟻剤を発射する「スプロボ」

砲身のようなものから遠隔操作で防蟻剤を発射する「スプロボ」

スプロボから送られてくる映像を見ながら遠隔操作するオペレーター

スプロボから送られてくる映像を見ながら遠隔操作するオペレーター

パソコンのモニターでは防蟻剤の散布範囲が確認できるほか、工事写真の撮影も可能

パソコンのモニターでは防蟻剤の散布範囲が確認できるほか、工事写真の撮影も可能

このロボットは、積水ハウスグループが木材の防腐処理などを展開するコシイプレザービング(本社:大阪市住之江区)の協力を得て開発したものです。

ロボットは戦車のように、走行用のクローラーユニットに、防蟻剤を発射するノズルなどを搭載した天板ユニットを乗せた構造になっています。

施工に当たってはまず、床下換気口を開けてクローラーユニットを入れ、その上に天板ユニットを載せます。

その後は、建物の外からロボットに搭載されたカメラの映像をモニターで確認しながら、遠隔操作で防蟻剤を床下の各部に吹き付けて、防蟻処理を行うという手順です。

クローラーで走行するので、ちょっとした段差などの障害物があっても、乗り越えて施工場所に向かうことができます。

床下換気口を開ける

床下換気口を開ける

クローラーユニットを換気口内に入れる

クローラーユニットを換気口内に入れる

その上に天板ユニットをかぶせる

その上に天板ユニットをかぶせる

クローラーなので段差もラクラク通過する

クローラーなので段差もラクラク通過する

しかし、住宅によっては床下換気口が小さい場合もあり、クローラーユニットが入らない場合もあります。

でも大丈夫。なぜなら、

 

クローラーユニットは3分割

 

できる構造になっているため、さらに小さいユニットに分解して床下換気口から搬入し、床下で組み立てられるからです。

床下換気口が小さい場合はクローラーユニットも分解して搬入・組み立てができる

床下換気口が小さい場合はクローラーユニットも分解して搬入・組み立てができる

シロアリ対策の防蟻処理は、薬剤の持続効果の目安である10年くらいごとに、防蟻再施工を行うことが望ましいそうです。

これまでは、1階の住戸の室内にある床下点検口から作業員が入って施工していたので、入居者の立ち会いが必要でした。スプロボを使うことで、こうした手間はなくなります。

2LDK、6戸の2階建て賃貸集合住宅(1階面積200m2)の場合、1日で施工でき、施工費も従来より約1割コストダウンできます。

積水ハウスグループは、当面、スプロボを50台導入して3月16日から同グループ内で工事の受注を行っていくとのことです。

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