管理人のイエイリです。
鹿島の土木部門では、次世代の建設生産システム「A4CSEL(クワッドアクセル)」を開発し、大分市内で施工中の大分川ダムの現場に導入しています。
現場ではタブレットを手にした施工管理技術者が、無人のダンプトラックやブルドーザー、振動ローラーを指揮して自動的に土のまき出しや締め固めを行っています。(詳細は、2017年1月12日の記事を参照)
同社はこうした施工をあらゆる工種で実現するため、2017年4月1日に、機械部に「自動化施工推進室」という部署を設けました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
土木・機電・ITの専門家
が一堂に集結し、チームとなって自動化技術の開発と運用に取り組むのがミッションなのです。
そして、同じ日に土木管理本部では、「CIM推進室」という部署が誕生しました。
CIMとはもちろん、土木構造物を3Dモデルで設計する「コンストラクション・インフォメーション・モデリング」のことです。
同社は北海道小樽市の海底シールドトンネル工事でCIMによる施工管理を導入し、沖合約1kmの海中にある放水口に、無事、到達させました。(詳細は2017年2月24日の記事を参照)
CIM推進室では、土木工事への全面的なCIM導入を推進します。ミッションは情報基盤の整備と各種システムの導入、そして全国の現場への普及と展開です。
上のイメージ図を見て、ふと気がついたことがあります。それは各現場のCIMモデルがネットワークを通じて、クラウドやサーバーで一元管理されていることです。
これこそ、
土木工事のIoT化
への第一歩ではないでしょうか。
IoT(モノのインターネット)の基本的な仕組みは、現実の世界にあるモノをデジタルの仮想データで再現し、クラウドシステムで分析・意思決定を行い、モノの制御を行う「リアル→バーチャル→リアル」という情報の流れになっています。
国土交通省が土木分野で推進している「i-Construction」も、これとそっくりです。
現場を3D計測するドローンは「リアル→バーチャル」の部分を担い、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)は「バーチャル」の中での設計や検討。そしてICT建設機械は「バーチャル→リアル」の部分を担います。
これまでの情報化施工は、CIMデータを使って「バーチャル→リアル」を実現する過程に少なからず人間による作業が必要でした。
それが自動化施工になると、CIMデータをICT建機に送り、そのまま工事を行うことも可能になり、まさにIoTそのものになってきます。
鹿島が今回、自動化施工推進室とCIM推進室を設置した先には、土木工事のIoT化による劇的な生産性向上というゴールがあるように思えてなりません。