管理人のイエイリです。
新築マンションの販売は、建物が完成していないときから始まります。そこで重要なのは、お客さんにリアルな完成後の姿をイメージしてもらい、購入の決断をしてもらうことです。
これまでは、代表的な間取りを再現したモデルルームや、CG(コンピューターグラフィックス)などが、その役割を果たしてきました。しかし、共用部のロビーや廊下などのサイズ感や、建設予定地にどのような大きさの建物ができるのかといったことは、なかなか伝わりにくかったのではないでしょうか。
そこで野村不動産と同グループのデジタルマーケティング会社、プライムクロスは、ネクストスケープと共同で、まるで完成後のマンションに行ったようなリアルさを味わえる販売ツール「ホログラフィック・マンションビューアー」を開発しました。
その武器となるのは、
ナ、ナ、ナ、ナント、
Microsoft HoloLens
というホログラフィックコンピューターなのです。
HoloLensは、ヘッドマウントディスプレーの一種で、内部にWindows10で動くコンピューターやセンサーなどが内蔵されています。
これを装着して、建設予定地を見ると、現実の更地にマンションの3Dモデルが既に完成しているかのように見えるのです。
しかも、その映像は奥行きがあり、原寸大で見えるので、これまでのVR(仮想現実)や、タブレットで見るAR(拡張現実)とは違ったリアリティーや迫力です。
機能としては、建設予定地を眺めると建物の完成イメージを原寸大で見られる「リアルサイトビューアー」と、
マンションの外観模型
を表示する「ホログラフィック外観ビューアー」があります。
このシステムは、2017年7月から販売予定の「プラウドシティ越中島(東京都江東区、350戸)」に導入します。ネクストスケープの調べによると、HoloLensを新築マンションの販売に活用する事例は、日本で初めてとのことです。
これまでも、スマートフォンやタブレット端末を利用して、完成後の建物などを体験できるARはありましたが、HoloLensを使うと大きさや奥行き、空間への没入感など、さらにグレードアップしたリアリティーあふれる体験ができます。
クルマや家電などと同じように、「完成したモノを見てから買う」というビジネスを可能にする点で、HoloLoensやVRゴーグルは、建築や住宅のマーケティングツールとしても欠かせない存在になりそうです。