火星探査ロボを盛り土試験に導入!竹中グループとJAXAが意外なコラボ
2017年5月26日

管理人のイエイリです。

小惑星探査機「はやぶさ」やH-IIロケットシリーズの打ち上げなどで知られる宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、月や火星探査を目指して不整地走行ロボットを開発しています。

4本のクローラーを備え、きつい段差や坂を頑張って走破する姿から、JAXAの職員からは「健気(けなげ)」という愛称で呼ばれています。

月や火星探査を目指して開発されたマルチクローラーロボット「健気」のYouTube動画(資料:JAXA)

竹中工務店竹中土木は、この不整地走行ロボットを

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

高速道路の建設現場

 

に導入したのです。(プレスリリースはこちら

高速道路の建設現場に導入された不整地走行ロボット「健気」。RI試験装置を積んだ台車をけん引している(以下の写真、資料:竹中工務店、竹中土木)

高速道路の建設現場に導入された不整地走行ロボット「健気」。RI試験装置を積んだ台車をけん引している(以下の写真、資料:竹中工務店、竹中土木)

健気のミッションは、盛り土の締め固め試験です。放射線によって土中の水分含有量や密度を計測する「RI試験装置」を搭載した台車をけん引しながら、現場内の試験場所を自律走行で巡回し、盛り土の品質管理を行います。

この現場では健気に、竹中工務店が開発した全地球測位システム(GPS)を利用した自律走行制御ソフトを実装し、各種センサーが取り付けられています。

また、RI計測器は重くてこれまで計測点間を持ち運ぶのが重労働となっていました。そこで自動計測が行いやすい機器を選定・改良し、台車も最適なものを組み合わせました。

RI試験装置を搭載した台車

RI試験装置を搭載した台車

そのため、障害物を回避しながら、広範囲に点在する試験場所に向けて順次、走行し従来の試験器と同等の計測データを得ることが出来ます。

自動RI試験と従来試験の結果比較。同等のデータが得られていることがわかる

自動RI試験と従来試験の結果比較。同等のデータが得られていることがわかる

健気とRI試験装置付き台車を組み合わせた「自動RI試験ロボット」で、人力作業なしの実証試験を行ったところ、従来の方法に比べて

 

15%の試験時間短縮

 

が実現したそうです。

この開発は、JAXA宇宙探査イノベーションハブが行った提案募集に採択されたもので、竹中工務店、竹中土木、JAXAの3社は、2016年から共同で研究を進めてきました。

今後は耐久性の高い実用機を開発・実証し、RI試験の無人化を目指すとともに、将来的には宇宙探査にも使えるように技術開発を行っていく方針です。

火星探査ロボと土工現場の意外なマッチングと、コラボレーション効果に驚きました。

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