上ると毎回違う景色が!竹中工務店と博報堂がIoTで「楽しい階段」
2017年6月30日

管理人のイエイリです。

オフィスの階段を活用すると、エレベーターの消費電力を削減できるだけでなく、平静時の4倍から8.8倍のエネルギーを消費するので、生活習慣病の予防にも役立ちます。

そのため、「2階以内は階段を使いましょう」といったポスターが張ってあるオフィスも、時々見かけます。

それなら、いっそのこと、上ることが楽しい階段を作ってしまおうと、竹中工務店博報堂は、オフィス内の階段利用を促進する技術、「ta-tta-tta(タッタッタ)」の開発に着手しました。

階段を上り始めると、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

目の前に楽しい映像

 

が現れるという画期的な階段なのです。

階段を上り始めると楽しい目の前に映像が映し出される(以下の写真、資料:博報堂)

階段を上り始めると楽しい目の前に映像が映し出される(以下の写真、資料:博報堂)

●「ta-tta-tta」の利用イメージビデオ

ポイントは、映像が毎回、変化することです。例えば、これまでその人が上った段数に相当する建物の写真、「日めくりカレンダー」に出てくるような励ましのメッセージが表示されます。

そして階段利用が多くなると上った段数に応じて東京・高尾山の頂上までの距離、といった具合なので、ついつい、次はどんな映像が出てくるのかと、階段を使うのが楽しみになってきます。

世界の高い建造物 応援メッセージ・100パターン 高尾山登山の動画
本人の上った段数に相当する高さの建物など 約200種類の励ましのメッセージをランダムに投影 本人の上った段数に応じて高尾山山頂までの距離を表示
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階段に映像を表示する仕組み

階段に映像を表示する仕組み

同じ映像ばかりだと、すぐに飽きてしまいますが、その人の階段利用実績により、違う映像が出てくるところが「階段をもっと利用しよう」という気持ちにさせるためのポイントですね。

この仕組みを実現するために、IoT(モノのインターネット)センサーとICタグを活用しています。

階段にIoTセンサーを設置しておき、ICタグを身に着けた人が通るたびに、その人が何回、階段を利用したのかをチェックします。

その履歴によって、

 

映像を切り替える

 

というわけです。

では、本当にこのシステムによって階段利用が増えるのかと思う方もいらっしゃるでしょう。

そこで、竹中工務店の東京本店オフィスでは、一部の社員を対象に5週間にわたる実証実験を行いました。

その結果、映像を投影する前の1週間に比べて、映像を投影した期間(3週間)では、階段の利用量が平均で26.1%も増加したことが確認されたそうです。実験終了後も、階段の利用はさらに伸びる傾向にあることがわかりました。

実証実験の結果。映像の投影により、階段利用が伸びていることがわかった

実証実験の結果。映像の投影により、階段利用が伸びていることがわかった

竹中工務店と博報堂は「健康オフィス」のソリューションとして、2018年にはこの技術の開発を終え、2019年には新築・既存オフィス向けに商品化を目指しています。

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