地盤沈下を衛星でミリ単位計測!パスコが地下工事向けにサービス開始
2017年9月27日

管理人のイエイリです。

9月15日に当ブログで、奥村組が京都市内のシールドトンネル工事で、合成開口レーダー衛星のデータを使って現場周辺の地盤沈下を計測した、というニュースをご紹介しました。

地球から遠く離れた人工衛星の電波で、地盤沈下をミリ単位で計測できるという技術に驚き、自社が担当する工事にも活用できないかと考えた人も多いでしょう。

こうしたニーズを見越してか、パスコは2017年9月19日から、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

地下工事や埋め立て工事

 

をターゲットとした「衛星による変動モニタリング」のサービスを開始しました。(パスコのプレスリースはこちら

合成開口レーダー(SAR)による沈下計測のイメージ(以下の資料:パスコ)●

合成開口レーダー(SAR)による沈下計測のイメージ(以下の資料:パスコ)

このサービス特長は、(1)時系列的に評価できる、(2)ミリ単位の沈下測量ができる(垂直精度5~10mm)、(3)現地測量を補うように面的な沈下量を計測できる、(4)天候に左右されない、(5)PDFやExcelでデータを提供する、という点です。

例えば、下の図はスペインで建設された地下駐車場工事で、現場周辺の沈下量が時系列的にどのように変わったかを計測した結果です。

スペインの地下駐車場工事現場周辺で計測された沈下量と範囲

スペインの地下駐車場工事現場周辺で計測された沈下量と範囲

これまでの沈下計測は、光学測量器やGNSS測量器を使ったレベル測量が一般的ですが、道路上や私有地などは計測が難しく、得られたデータも「点と線」なので沈下の全体像を把握することは不可能でした。

しかし、衛星を使った方法なら、地表の変動を面的に効率よく計測できるので、

 

地盤沈下のエリアと傾向

 

がひと目でわかります。

問題個所を見逃さず、早期に対策をとることができそうですね。

まさか、合成開口レーダー衛星という航空宇宙技術が、地下の工事に役立つ時代がくるとは思ってもみませんでした。

今後はライフラインや空港、発電所などの維持管理にも、応用範囲が広がっていきそうです。

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