高欄が“モノレール”に!三井住友建設が自走式橋梁点検ロボを開発
2017年10月24日

管理人のイエイリです。

橋梁の点検は、これまで技術者が橋桁の下に入ったり、大がかりな橋梁点検車を使ったりして行うのが一般的でした。

しかし、三井住友建設は2013年、日立アドバンストデジタルと共同で、橋桁の上から橋脚や桁の裏面、支承部などを点検できる「橋梁点検ロボットカメラ」という画期的なツールを開発しました。

その性能は、20m先の0.2mm幅のひび割れも発見できるという優れたものでした。(当ブログ2013年11月20日付けの記事を参照

 

2013年に開発された橋梁ロボットカメラ(以下の写真、資料:三井住友建設)

2013年に開発された橋梁ロボットカメラ(以下の写真、資料:三井住友建設)

 

あれから約4年、このツールがさらに使いやすく進化していました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

高欄上をモノレール

 

のように自走する装置が開発されたのです。(三井住友建設のリリース

橋の高欄をモノレールのように移動しながら、撮影と移動の一連の作業を自動で行えるようになった「橋梁点検ロボットカメラ:懸垂型」

橋の高欄をモノレールのように移動しながら、撮影と移動の一連の作業を自動で行えるようになった「橋梁点検ロボットカメラ:懸垂型」

自走式装置とロボットカメラの動き

自走式装置とロボットカメラの動き

この自走式装置は軽量なので、現場には人力搬入することができ、高欄への取り付けも2人程度で簡単に行えます。

カメラには自動首振り撮影機能が付いており、撮影が終了すると次の点検場所まで自動的に移動して、次々と写真を撮っていきます。

自動首振りは画角と撮影範囲を指定すれば、求める解像度に応じてカメラの首振りを行い、分割された拡大画像を取得することができます。

この自走装置を使うことで現場を丸ごと写真で記録し、持ち帰ることができるので、高度な技術力を必要とする損傷の確認作業は

 

室内作業でじっくり行える

 

というメリットがあります。

実橋を使った実証の様子。奥の橋梁点検車に比べるとずっとコンパクトだ

実橋を使った実証の様子。奥の橋梁点検車に比べるとずっとコンパクトだ

損傷がなかった場合は、写真データがその証拠となるので「損傷なしの証明」も可能になります。

三井住友建設は、この装置を神奈川県内の橋梁建設現場や兵庫県の実橋で検証しました。

シンプルながら、橋の維持管理を大幅に省力化してくれそうなロボットカメラの活躍に期待したいですね。

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