管理人のイエイリです。
建物や設備の改修工事では、現場の状況を高精度で計測できる3Dレーザースキャナーはとても便利です。
レーザー光線が届かない部分は“死角”となるので、対象物の周囲にスキャナーを何度も移動させながら計測し、計測された点群を合成して1つにまとめます。
しかし、機器の裏側などに配管の接続部分など重要な部分が隠れていた場合、点群データの計測もれが発生してしまいます。
そこで、新菱冷熱工業は北海道大学大学院情報科学研究科の金井理教授と共同で「3Dレーザースキャナ配置計画支援ソフトウェア」を開発しました。(新菱冷熱工業のプレスリリースはこちら)
パソコンの画面上で、計測しなければならない部分を重要度別に印を付けると、平面図上に3Dスキャナーを配置すべき位置を
ナ、ナ、ナ、ナント、
自動的に指定
してくれるのです。
その方法ですが、まず事前の現地調査のときに、デジタルカメラで計測対象物の周囲から何枚も写真撮影しておき、その写真データをパソコンソフトで処理して簡易的な3Dモデルを作成します。
この簡易3Dモデル上で、重要度が高い順に「高」「中」「低」の3段階で計測重要度を指定します。そしてシステムで解析することで、計測重要度別に最も効率的な3Dスキャナーの設置場所を平面図上に自動的にプロットしてくれるというわけです。
このシステムを使って、200m2程度の熱源機械室の機器入れ替え工事の3D計測を計画した場合、
1時間程度の計算時間
で、誰もが精度の高い計画を簡単に作れるようになりました。
ただ「多めに計測しておこう」という考えで無計画に計測すると、点群データ量が膨大になったり、肝心な部分の計測もれがあったりしがちですが、このシステムを使うと最少の計測で必要十分な点群データが得られそうですね。
新菱冷熱工業では2012年から3Dレーザースキャナーの運用を開始し、これまで100現場以上の計測実績があるそうです。その経験から、品質向上と業務効率化に役立つシステムを生み出したのは、まさに「フロントローディング」の成果ですね。