建物の振動や傾きをIoT化!大成建設らが地震後の健全性を判定

2017年12月21日

管理人のイエイリです。

建物や土木構造物の長寿命化にともない、使用期間中に大きな地震に見舞われる確率も高くなっていきます。

特に2011年の東日本大震災や、2016年の熊本地震クラスの地震になると、強い地震動を受けた建物や構造物がその後、安全に使用できるのかどうかが心配になります。

そこで、大成建設は横河電機、長野日本無線、東京大学と共同で、地震動を受けた後の建物や構造物の健全性を迅速に評価できる「T-iAlert Structure」を開発しました。

構造物の固有振動数や傾き、ひずみなどを計測するため、建物のいろいろな部分に

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

MEMSセンサーを分散配置

 

し、そのデータを無線で収集・分析する仕組みになっているのです。

MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサーとは、高精度で信頼性の高いセンサーを詰め込んだ超小型デバイスです。

「T-iAlert Structure」の概要図(資料:大成建設)

「T-iAlert Structure」の概要図(資料:大成建設)

MEMSセンサーの開発は横河電機が担当しました。その性能は建築物を計測するイメージとはかけ離れた感度を持っています。

例えば、加速度は重力加速度の100万分の1に相当する1/1000gal(ガル)の微小なものが計測でき、変位は10億分の1メートル(1ナノメートル)の動きも検知できるほどです。

これらのMEMSセンサーで計測されたデータを無線で集める技術は、長野日本無線が開発しました。

壁や天井などに影響されにくい920MHz帯の電波を使って各フロアの受信装置に送られ、さらに診断用のパソコンに集約されます。

センサーの低電力化を図るため、

 

時刻同期通信

 

を行うことによって、電波の発射を極力、抑える仕組みになっています。

そのため、長期間にわたって電池交換などのメンテナンスが必要ありません。

集めたデータから、建物などの健全性評価を行う技術は、大成建設と東京大学が開発しました。固有振動数や部材のひずみ、傾斜角度を長期間にわたって観測し、経時変化を見つけます。

震度3以上の地震が発生したときは、建物の振動から1次診断として健全性を判定し、異常があった場合には2次診断として損傷箇所を推定することができます。

これらの技術は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進めている「インフラ維持管理・更新等の社会課題対応システム開発プロジェクト」の委託事業として開発されました。

建物や構造物の各部の挙動が、小さなデバイスのおかげでリアルタイムにデジタルデータとして取得できると、コンピューターの力によって解析や判断を行い、現場に「使用可能」「使用不可」の指示を迅速に出せるようになります。

まさに、地震対策もIoT(モノのインターネット)の方向に進んでいますね。

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