1cmの落石も見逃さない!大成建設がトンネル切り羽監視システムを開発

2017年12月11日

管理人のイエイリです。

山岳トンネルの工事では、掘削最前線の「切り羽」と呼ばれる山肌に、ドリルで水平に孔を掘り、その中に火薬を詰め込んで発破します。

その後、発破された岩盤を運び出したり、トンネル内壁をコンクリート吹き付けやロックボルトで補強したりする作業が続きます。

その間、重要なのが切り羽の監視です。監視員は切り羽を前に、まばたきの間も惜しんで落石や崩落など、崩落の兆候がないかをじっと見つめ続けるのです。さぞかし、大変で責任の重い仕事でしょう。

そこで、大成建設は作業の安全性確保と監視員の負担を減らすため、トンネル切羽落石監視システム「T-iAlert Tunnel」を開発しました。

トンネル切り羽落石監視システムの概要(以下の資料、写真:大成建設)

トンネル切り羽落石監視システムの概要(以下の資料、写真:大成建設)

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

直径1cmの速い落石

 

さえ、見逃さないという高性能さなのです。

照明付きのカメラ

照明付きのカメラ

このシステムは500万画素以上のデジタルカメラと、照明装置、高性能パソコンで構成され、三脚などに取り付けて切り羽の脇に配置。切り羽の状況を普通のビデオ動画より高速な、毎秒100回以上のコマ数で撮影します。

この画像を高速な画像認識技術で処理することにより、直径1cm程度の小石の落石など、切り羽崩落の前兆現象を検知します。

切り羽崩落などの危険性がある場合は、ブザーと回転灯で警報を発信し、切り羽の前で火薬装填(そうてん)などを行う作業員を迅速に待避させます。長時間、連続監視できるので、このシステムが隣にあれば監視員さんも安心ですね。

現場での運用状況。切り羽崩落の危険性を検知したときは、回転灯とブザーで警報を出す

現場での運用状況。切り羽崩落の危険性を検知したときは、回転灯とブザーで警報を出す

でも、切り羽の前を作業員や重機が横切った場合、誤作動はしないのでしょうか。

そこもしっかりと考えてあり、切り羽からの落石やはく落現象と、

 

人・機会の動きを区別

 

して、誤検知しないような画像認識機能を備えています。

山岳トンネルの現場には、地下水のしたたりや粉じんなど、電子機器にとっては劣悪な環境が付きものです。そこで各機器は防滴、防じん仕様となっています。

全体の重量は15kg程度で、5kg程度のユニットに分割して簡単に持ち運んで現場に設置できます。

切り羽の状態を画像というデジタルデータに変換し、それをコンピューターに監視させ、問題がある場合は現場に警報をフィードバックさせるという流れは、山岳トンネル工事のIoT(モノのインターネット)の一環とも言えそうですね。

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