管理人のイエイリです。
土砂崩れ現場などを3Dデータ化する手段としては、トータルステーションとプリズムによる測量のほか、3Dレーザースキャナーやドローン(無人機)による計測がまず思い浮かびます。
ただ、特殊な測量機器が必要だったり、空撮写真をパソコンで処理して3Dモデル化するのに時間がかかったりする課題もありました。
そこで大林組は、赤外線センサー付きのスマートフォンを使って地形を素早く3D計測できるアプリ「スマホ de サーベイ」を開発しました。
スマホを持って現場を歩くだけで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
地形の点群データ
を取得することができるのです。
10cm以下の小さな起伏をとらえることができ、最大で約500m2の範囲を3D計測できます。
ある測線に沿った断面図を求めたいときは、AR(拡張現実感)の技術によって、スマホの画面上に断面測量用のガイド線が表示されるので、この線に沿って歩くだけでOKです。
スマホの画面上では、3次元の点群データや真上から見たオルソ画像、断面図を見ることができます。これらのデータは、スマホのメール機能を利用して送信し、パソコンでCADに取り込み、搬出土量を計算することもも可能です。
このアプリが開発されたことにより、従来に比べて現地での作業時間は
90%以上も短縮
することができるとのことです。素晴らしい生産性向上効果ですね。
「スマホ de サーベイ」の原理については、あまりリリースには書かれていませんが、連続写真から3Dモデルを作るドローン測量とは違った仕組みのようです。
ここからは推測ですが、例えば、グーグルのARプラットフォームの「Tango」のように、スマホに搭載された赤外線による「深度センサー」を3Dレーザースキャナー代わりに利用して、現場を点群データ化しているのかもしれません。
もし、そうだとしたら対応するスマホは、ASUSの「ZenFone AR」などで、実売価格は10万円前後のようです。今度、大林組の方に詳しく聞いてみたいと思います。
大林組では、「スマホ de サーベイ」を災害復旧工事のほか、一般的な土木工事や建物のリニューアル工事などにも活用していくとのことです。
それにしても、スマホで現場を3D計測できる時代になるとは、ホント、驚きました。