HoloLensを側溝の施工に活用!大林組が丁張りレス施工に成功
2018年3月9日

管理人のイエイリです。

現実の風景の上に3Dモデルを重ねて見られるAR(拡張現実)用のゴーグル型コンピューター、「Microsoft HoloLens」の建設業で注目を集めています。

AR用のゴーグル型コンピューター、「Microsoft HoloLens」(以下の写真:特記以外は家入龍太)

AR用のゴーグル型コンピューター、「Microsoft HoloLens」(以下の写真:特記以外は家入龍太)

大林組は岩手県山田町の道路工事現場で切り土法面の「小段」に設置する排水用の側溝をHoloLensによって、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

丁張りレス施工

 

しているのです。

岩手県山田町で行われている側溝の施工

岩手県山田町で行われている側溝の施工

まずは、3Dマシンガイダンス機能付きのバックホーで、溝を掘ります。

3Dマシンガイダンス付きのバックホーで溝を掘削する(写真:大林組)

3Dマシンガイダンス付きのバックホーで溝を掘削する(写真:大林組)

バックホーの運転席にあるモニター。掘削断面とバケットの現在位置が表示されている(写真:大林組)

バックホーの運転席にあるモニター。掘削断面とバケットの現在位置が表示されている(写真:大林組)

続いて、プレキャストコンクリート製のU字溝を溝の中につり下げ、水平方向と高さを調整します。

普通は、溝の横に「水糸」を張って、その位置を基準に高さや位置を調整しますが、この現場ではHoloLens上に表示されるU字溝の上端の線を頼りにU字溝を設置していきます。

HoloLensを着用した職人さん

HoloLensを着用した職人さん

職人さんのHoloLensを通して見た現場

職人さんのHoloLensを通して見た現場

HoloLensだけでも

 

プラスマイナス30mm

 

程度の精度で設置できますが、職人さんのこだわりでさらに精度よく設置するため、現場では測量機とプリズムも併用していました。

U字溝が正しく設置されているかを確認する。HoloLensだけでも±30mm程度の精度は確保できるが、さらに精密に設置するためプリズムと測量機も併用した

U字溝が正しく設置されているかを確認する。HoloLensだけでも±30mm程度の精度は確保できるが、さらに精密に設置するためプリズムと測量機も併用した

なお、元データとなった3Dモデルの作成や、HoloLensに3Dモデルをインプットするソフト「GyroEye Holo」用へのデータ変換は、すべて大林組の現場職員が行っています。

3Dモデルから現場に直接、HoloLensで墨出しができると、作業にじゃまな水糸が不要になるので、作業がはかどります。

また、測量機を使うとカーブしている現場ではレーザー光が届きにくかったり、U字溝の設置中にレーザー光を遮らない姿勢で作業する必要があったりしますが、HoloLensを使うと楽にできます。

HoloLensによって建設現場でのAR活用がますます進みそうですね。

側溝の工事関係者

側溝の工事関係者

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