BIMと連動!安井建築がクラウド型建物管理システムを開発
2018年4月26日

管理人のイエイリです。

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用が、建物完成後の運用・維持管理段階まで広がってきました。

安井建築設計事務所はこのほど、IoT環境センサーとBIMモデルを連携させた日本初の建築情報マネジメントシステム「BuildCAN(ビルキャン)」を開発しました。(安井建築設計事務所のプレスリリースはこちら

「BuildCAN」の画面。BIMモデル上に照度や温度、湿度、不快指数などが表示される(以下の資料・写真:特記以外は安井建築設計事務所)

「BuildCAN」の画面。BIMモデル上に照度や温度、湿度、不快指数などが表示される(以下の資料・写真:特記以外は安井建築設計事務所)

室内の環境を測定するIoTセンサー(実証時の簡易設置)

室内の環境を測定するIoTセンサー(実証時の簡易設置)

2018年4月25日に、東京・平河町の安井建築設計事務所で行われた記者会見(写真:家入龍太)

2018年4月25日に、東京・平河町の安井建築設計事務所で行われた記者会見(写真:家入龍太)

建物内の環境をBIMモデル上で“見える化”した結果、春や秋の中間期には空調機を停止し、「窓を開けましょう」と自然通風換気をアドバイスすることができ、空調エネルギーを

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

最大60%削減

 

できることを確認したそうです。

中間期には自然通風換気をアドバイスすることで、60%以上の空調エネルギー削減を行った実績も

中間期には自然通風換気をアドバイスすることで、60%以上の空調エネルギー削減を行った実績も

BIMモデルには、属性情報として建物の面積や容積、仕上げ材料、各種機器などの建築情報がインプットされているほか、清掃履歴や修繕履歴などの維持管理記録、完成図や連絡網などの施設情報をリンクします。

その結果、建物に関する様々な情報を一元管理するデータベースとして機能します。

このシステムはクラウドサーバー上で運用されるため、ユーザーはパソコンやタブレット端末、スマートフォンなどのウェブブラウザーがあればどこでも利用することができます。

BuildCANの全体イメージ。ウェブブラウザーがあればどこでも利用できる

BuildCANの全体イメージ。ウェブブラウザーがあればどこでも利用できる

また、壁や天井裏にある構造や設備などのBIMモデルを見ることも可能です。

あまり高いスペックのパソコンでなくても、普通のウェブブラウザーがあれば、視点の移動や拡大・縮小、切断など

 

BIMモデルをサクサク

 

と閲覧することができるのです。

ウェブブラウザー上で見た建物の外観

ウェブブラウザー上で見た建物の外観

内部の構造や設備もサクサク見られる

内部の構造や設備もサクサク見られる

BIMモデルをウェブブラウザー上で閲覧する機能は、オートデスクのクラウド開発プラットフォーム「Forge」を使って開発されました。ウェブブラウザーは「WebGL」に対応したChromeやEdge、Firefoxなどが使えます。

大手ITベンダーも顔負けのシステムですが、開発したのは安井建築設計事務所(共同研究:熊本大学土木建築学科の大西康伸准教授)です。

システム開発に関わった安井建築設計事務所ICT本部の繁戸和幸本部長(写真:家入龍太)

システム開発に関わった安井建築設計事務所ICT本部の繁戸和幸本部長(写真:家入龍太)

今後は地震センサーや人感センサーとの連携、さらにはAI(人工知能)による解析や、BEMS(ビルエネルギー管理システム)との連動により、空調設備の制御機能の開発なども目指しているそうです。

また、BIMモデルをAR(拡張現実)化し、HoloLensを使って壁裏の配管などを“透視”する実験も密かに行っているそうですので、今後の機能拡張が楽しみですね。

(Visited 6 times, 1 visits today)

Translate »