タブレットに施工を“実況中継”!三井住友建設がトンネル覆工を自動化
2018年5月21日

管理人のイエイリです。

山岳トンネルの工事では、発破によって掘削した岩盤の内側に「覆工コンクリート」というコンクリート壁を打設します。普通は「アーチセントル」という鋼製の移動式型枠を現場に設置し、下から上へと順番に生コンクリートを打設し、締め固めていきます。

施工途中には、型枠に設けた開閉式の窓を開けてコンクリートの高さを確認したり、生コン配管の注入位置を切り替えたりと、人間による多くの手作業が必要でした。

そこで、三井住友建設岐阜工業(本社:岐阜県瑞穂市)はこの作業の省力化と品質アップを行うため、SMC-Tunnelingシリーズ「自動 de 覆工」というシステムを共同開発しました。

山岳トンネルの覆工コンクリート打設作業を自動化した「自動 de 覆工」の全体イメージ図(以下の資料:三井住友建設)

山岳トンネルの覆工コンクリート打設作業を自動化した「自動 de 覆工」の全体イメージ図(以下の資料:三井住友建設)

その特徴は、時々刻々と進む覆工コンクリート打設作業中に、コンクリートの打設高さや使用中のコンクリート配管など、作業の状況を

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

タブレットに“実況中継”

 

しながら、一元管理できることなのです。(三井住友建設のリリースはこちら

施工管理者のタブレット端末に“実況中継”された覆工コンクリート打設工事の状況

施工管理者のタブレット端末に“実況中継”された覆工コンクリート打設工事の状況

コンクリートの打設高さは、高さ50cm間隔でアーチセントルの表面に設置したセンサーで検知し、生コンクリートの圧送速度や使用中のコンクリート配管もデータ化してシステムに送られます。

現場の技術者は、タブレットに表示された情報を見ながら施工管理を行い、圧送に使用するコンクリート配管の変更や圧送停止などの指示を、タブレット上で行うことができます。

コンクリート配管には

 

自動配管切り替え装置

 

が付いているので、自動的に所定の配管に切り替わるのです。そのため、力仕事はいりません。

岐阜工業の工場内で実証実験を行った「覆工コンクリート打設システム」。写真中央部に自動配管切り替え装置が見える

岐阜工業の工場内で実証実験を行った「覆工コンクリート打設システム」。写真中央部に自動配管切り替え装置が見える

三井住友建設では、今後はさらに、コンクリートを締め固めるバイブレーターや、コンクリート圧送ポンプの自動制御などと連動させて、このシステムを進化させていく予定です。

人間による手作業から機械による省人化へと、トンネル工事は少子高齢化時代による労働人口不足に、着々と対応が進んでいるようですね。

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