建物とBIMを同期!ビル管理業務を“インストール”できる大林組の「BIMWill」

2018年6月27日

管理人のイエイリです。

これまでのビル管理業務は、建物の図面や維持管理記録、設備の稼働データなどをもとに、管理者が今後の作業を判断・実行していくスタイルでした。

この業務にコンピューターの力を導入して、効率化や自動化を図るため、大林組は建物のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルに、様々な情報やデータを集約できるプラットフォーム「BIMWill」を開発しました。

管理対象となる各種設備機器の稼働状況や維持管理情報や、建物ユーザーが感じている「暑い、寒い」など現実に起こっていることをデジタルデータとして重ね合わせ、再現することで、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

活きたデジタルツイン

 

を構築できるようにするものなのです。(大林組のプレスリリースはこちら

「デジタルツイン」というのは電子的な双子という意味で、IoT(モノのインターネット)の世界で現実をデジタルデータとして再現したモデルのことを表す言葉です。

建物のBIMモデルに、出来事情報を集約し、表示した例(以下の資料:大林組)

建物のBIMモデルに、出来事情報を集約し、表示した例(以下の資料:大林組)

設備機器のBIMモデルにはもちろん、機器名や設置年月などの属性情報がインプットされている

設備機器のBIMモデルにはもちろん、機器名や設置年月などの属性情報がインプットされている

BIMモデルには、建物を構成する各部材に「属性情報」というデータベースが埋め込まれています。

これまでの属性情報は、材質や仕様などの「静的」な情報が主でしたが、このシステムでは設備に付いている温度や電力などのセンサー情報など「動的」な情報もリアルタイムにBIMモデル上に反映するのが特徴です。

さらには、建物内のいろいろな場所にいるユーザーが感じている「暑い、寒い」など、人間の情報までも属性情報として集約できる点がこれまでのBIMから進化しています。

BIMWillの開発に当たっては、大林組のほか大林新星和不動産や大林ファシリティーズ、オーク情報システム、オーク設備工業、そして熊本大学大学院先端科学研究部准教授の大西康伸氏が参画し、共同で行いました。

空調設備の各部分の温度などをリアルタイムに表示した例

空調設備の各部分の温度などをリアルタイムに表示した例

複数のビルを管理すると、どの場所でどんな不具合が起こっているかを地図上で見える化することも可能だ

複数のビルを管理すると、どの場所でどんな不具合が起こっているかを地図上で見える化することも可能だ

「BIMWill」が集約したデータは、APIを介して様々なソフトやシステムと連動し、建物の管理や運用業務を行わせることができます。

つまり、ビル自体がコンピューターのようになり、必要な管理業務などの機能をアプリやクラウドシステムとして

 

後からインストール

 

できるようになります。

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例えば、「BIMWill」を初めて導入した東京・神田のオフィスビル「oak神田鍛冶町」の場合は、IoTを通じて執務空間の快適性を向上させる「WellnessBOX」(開発者:大林組)や各種設備の運転状況を把握する「BILCON-Σクラウド版」(同:大林組)、設備機器からの故障警報を遠隔地で取得する「遠隔警報監視システム」(同:日本電気株式会社)、建物維持保全に関連する文書を保管、共有する「F@cile_Site」(同:オーク情報システム)などがインストールされました。

今後はAI(人工知能)で、不審者の行動を発見するシステムや商業施設の購買意欲を高める販促支援ソフト、ロボットで清掃を行うシステムなど、人間に代わって判断や作業を行うサービスが「BIMWill」に対応して開発されていくかもしれません。

そして、建物ユーザーはスマホやパソコンのアプリを購入する感覚で、これらのサービスを手軽に導入できるようになりそうですね。建物の運用、維持管理でも、いよいよIoTビジネスの幕が切って落とされようとしています。

 
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