BIMとタブレットで配筋検査!大成建設が是正処置までの時間を15%短縮
2018年6月1日

管理人のイエイリです。

建築工事でコンクリートを打設する前に、鉄筋が設計通りに入っていることを確認する配筋検査は重要な業務です。

これまでの配筋検査は、ベテラン技術者が分厚い図面を手に、豊富な知識と経験に基づいて検査項目の内容を選びながら行うという、属人的な熟練が必要でした。

そこで大成建設は、誰もがベテランと同様のレベルで、楽に配筋検査が行えるシステム「T-BIM Inspection」を開発しました。

建物のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データから作成した図面や部位ごとの配筋リストをクラウドサーバーに蓄積し、

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

現場ではタブレット端末

 

だけで、配筋検査ができるようにしたのです。

「T-BIM Inspection」のイメージ図(資料:大成建設)●

「T-BIM Inspection」のイメージ図(資料:大成建設)●

現場内の検査場所で、タブレット端末に表示された平面図から検査箇所をタップすると、検査箇所に応じた断面リストや検査に必要な項目が画面上に表示されます。

検査項目が自動的に出てくるので、あとはそれに従って現場の鉄筋と照らし合わせながら、検査結果や是正処置などの指摘事項をタブレットに入力していくだけです。

その結果は、検査箇所や時刻とともにクラウドに記録され、報告書が速やかに作成されます。

経験の浅い技術者は、タブレットに表示された検査項目を見ると、「ああ、この部分ではこの項目もチェックする必要があるのだな」と、ベテランの考え方を“盗む”ことで作業をしながらスキルや経験値を上げる効果もありそうですね。

指摘事項については、現場監理者が「誰が」「いつまでに」是正作業を行うのかを指定して、直ちに作業予定者に内容が通知されます。

その結果、検査から是正処置完了までの時間は、

 

約15%も短縮

 

できるようになったとのことです。

しかし、協力会社などを含めると、隠れたムダやコストは、きっとこれ以上削減されているのではないでしょうか。

というのも検査がスピーディーに行えるだけでなく、報告書の作成や是正処置の指示をクラウドによって行えるので、いちいち会議を招集して情報を伝達する必要がなくなるからです。

「会議はコスト」という認識がクローズアップされつつある今、クラウドとタブレットの連携によって配筋検査をシステム化したことは、生産性向上の新しい道を開いたものと言えそうです。

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