管理人のイエイリです。
工事などで片側交互通行になった道路の交通誘導を行う警備員の仕事は、有効求人倍率が増加の一途をたどっています。
以前からマンパワーへの依存度が高いこの仕事は、通行車両の近くで行うため事故の心配があるほか、屋外で長時間立つため熱中症の予防にも気をつけなければいけません。
そこでALSOKはこうした問題を解決するため、「ALSOK交通誘導システム」を開発しました。
片側交互通行区間の両側に信号機を設置して、交通誘導を行うものですが、タイマーで単純に信号を切り替えるタイプの交通誘導システムとは、“賢さ”が違います。
工事区間内が安全と判断しなければ。区間入り口で青信号を表示しないようにするため、
ナ、ナ、ナ、ナント、
交通誘導員の判断手法
を搭載しているのです。(ALSOKのプレスリリースはこちら)
例えば、片側区間の通行車両がどちら向きに走っているのかを、工事区間内に設置した車両通過検知センサーで判断して、交通流の状態を把握します。
また、赤信号で停止している車両があれば停車検知センサーで発見し、赤信号を短くするといった柔軟な交通整理も行います。
信号無視のドライバーがいた場合には、即座に
警報と後続車の進入防止
を行う機能を搭載しており、操作端末を通じて交通誘導員にも連絡されるようになっています。
そのため、交通誘導員は四六時中、現場を見張っていなくても、異常が発生したときだけ現場対応すればいいので仕事がかなり楽になりそうです。
現在、対応可能な道路は片側交互通行で、(1)規制区間が200m以下で途中に他の信号がないこと、(2)見通しのよい直線道路、(3)付近に踏切や交差点がないこと、(4)交通量は上下線合計で毎時60台まで(目安)となっています。
このシステムは2018年3月から埼玉県内の道路で試行を始め、試行エリアを拡大しています。今後はより短時間で円滑に設置できるようにシステム改善を図っていくそうです。
ALSOKのプレスリリースには書いていませんが、現場の周辺をカメラで撮影し、その映像をAI(人工知能)で判断できるようになれば、もっと交通量が多く、途中に信号があるような複雑な区間の交通誘導もできるようになるかもしれませんね。
より少ない人数で工事を安全に行えるようにすることは、今後の建設業に欠かせない取り組みだと思いました。