管理人のイエイリです。
ドローン(無人機)からの空撮写真によって、地表面などを測量する「ドローン測量」がスピーディーになるとともに、精度も向上してきたようです。
大林組はこのほど、工事現場で複数社のドローン測量について共同比較検証を行ったところ、ZMP(本社:東京都文京区)が提供するドローンシステムで、
ナ、ナ、ナ、ナント、
±1cmの精度
を実現したのです。さらに、現場での作業時間は半減したそうです。(ZMPのプレスリリースはこちら)
大林組が使ったドローンは、ZMPの子会社であるエアロセンス(本社:東京都文京区)製の産業用ドローン「AEROBO」と、GNSS(全地球測位システム)内蔵の対空標識(マーカー)「AEROBO marker」です。
そして、空撮写真から高精度の3Dモデルやオルソ画像を作る作業にはクラウドサービス「AEROBO cloud」を使いました。
なかでも対空標識として使った「AEROBO marker」は「AEROBO cloud」と連携し、RTKというGNSSの位置補正情報を使って、位置情報を自動計算する機能を持っています。
空撮画像に写った対空標識の位置を自動認識し、GNSSで計算した位置情報と
自動的にひも付け
してくれるので、空撮写真上でマーカーの位置をクリックで指定したり、座標値を手入力したりする手間がいりません。
現場においてボタンを押し、1時間たつと測量でき、トータルステーションなどによる地上測量が不要になる点が、現場での作業時間短縮に効果を発揮しました。
気になるお値段ですが、AEROBOが1機160万円、AEROBO makerが1個20万円、そしてAEROBO cloudが1回3万円です。
GNSSやクラウドを使って、人間の“ひと手間”を地道になくしていく努力が積み重ねることによって、作業の自動化が少しずつ進み、生産性向上や省人化が実現していくように感じた次第です。
なお、ZMPはクルマの自動運転やロボットなどの技術開発で知られています。またエアロセンスは、ソニーとZMPの合弁会社で2015年8月に設立されました。ドローン界の裏で自動運転のベンチャー企業やカメラやセンサーの大手メーカーが動いているというのも興味深いですね。