ドローンが水路内を3Dモデル化!トップライズが米大学と点検技術を開発
2018年8月8日

管理人のイエイリです。

日本の農業用開水路は1960年代ごろに整備され、標準的な耐用年数である40年を超えて点検や補修を行いながら使われているものが多くあります。

その点検調査は、これまで技術者が水路脇を歩きながら目視点検し、壁面の傾きやひび割れ、浸食などを現地調査してきました。

この調査方法をガラリと変える新技術を、新潟市秋葉区の建設コンサルタント、トップライズが米国の大学と共同開発しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

ドローンを水路内で低空飛行

させながら内部をステレオカメラで撮影するという、画期的な方法なのです。

離陸したドローンが開水路内に降下し、低空飛行するイメージ(以下の写真、資料:特記以外はトップライズ)

離陸したドローンが開水路内に降下し、低空飛行するイメージ(以下の写真、資料:特記以外はトップライズ)

クルマとドローンがペアになり、通信しながら水路内を調査する

クルマとドローンがペアになり、通信しながら水路内を調査する

ドローンは“航空母艦”となる車両とペアで動きます。

離陸したドローンは水路内に降下し、自律飛行により前進を始めます。同時に車両もドローンとの無線LANによる通信範囲内から出ないように一緒に移動します。

そして、あらかじめ決めておいた着陸地点で、ドローンと車両が落ち合い、着陸します。そしてドローンのバッテリーを交換し、次の区間を調査するという手順です。

ドローンは飛行しながら、カメラの映像をもとに開水路の壁面や底面をリアルタイムに3Dモデル化するとともに、映像から壁面などのクラックも自動的に検知していきます。

ドローンが作成した開水路の3Dモデル

ドローンが作成した開水路の3Dモデル

壁面などの映像からクラックを自動的に検出した例

壁面などの映像からクラックを自動的に検出した例

この技術を使うと、これまで1日に500m2程度しか調査できなかったのが、1400m2程度に増えるそうです。3倍近い効率アップですね。

ところで、トップライズが共同研究した相手とは、いったい、どこの大学なのかというと、

ナ、ナ、ナ、ナント、

カーネギーメロン大学

だったのです。

カーネギーメロン大学といえば、コンピューター科学の分野で世界のトップクラスの実力を誇る大学です。

同大学機械工学科の嶋田憲司教授と、トップライズの大滝充司代表取締役社長が出会ったことから3年間にわたる共同研究がスタートしました。

トップライズは嶋田教授の研究室である数値工学・ロボット研究室(Computational Engineering & Robotics Laboratory)に研究員を派遣し、今回の成果を生み出しました。カーネギーメロン大学はこれまで、大手企業との共同研究は多く行っていますが、中小企業とのコラボはトップライズが初めてとのことです。

要は、やる気と熱意、そして具体的な開発構想があれば、中小企業もカーネギーメロン大学との共同研究が実現するというわけですね。

トップライズは今後、この技術を活用して開水路の点検調査事業を展開するため、実証実験に取り組んでいきます。農業土木分野の維持管理も、IT(情報技術)による革新が始まりそうです。

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