管理人のイエイリです。
工事現場で意外に手間ひまがかかるのが、資機材を配送する作業です。これまでは、台車や手動式のフォークリフト「ハンドパレット」などを使い、手作業で行うのが一般的でした。
戸田建設はこの作業を省人化するため、「水平自動搬送システム」を開発しました。
資機材に取り付けたRFID(ICタグ)から、資機材の大きさや搬送先の情報を読み取り、無人走行する台車が
ナ、ナ、ナ、ナント、
搬送先まで自動搬送
してくれるのです。(戸田建設のプレスリリースはこちら)
人間が行うのは、エレベーターなどで運んできた資機材を「ゲートアンテナ」を通過させ、専用台車に載せてその辺に置いておくだけ。
すると「T-CART 1000」という無人走行する台車がやってきて、資材を積んだ専用台車の下に潜り込み、搬送先まで自動的に移動させるという仕組みです。
無人走行する台車は、資機材を直接載せることもこともでき、一度に1000kgまでを搬送できます。
これまでもAGV(Automated Guided Vehicle)という無人走行台車がありましたが、走行ルートを示すため現場に磁気テープやマーカーなどを設置する必要がありました。
その点、「T-CART 1000」はレーザースキャナーを搭載し、周辺の地図を作製しつつ、自分の位置を推定しながら走行するのでマーカーなどを設置する必要がありません。
搬送ルートはパソコン上の平面図に、「けん引開始地点」や「搬送先」のほか「退避地位」や「充電位置」を入力し、その間をつなぐだけで設定できるのです。そのため、搬送ルートの変更もパソコン上の操作だけで済みます。
戸田建設では関東圏の複数の工事現場で、このシステムの検証を行いました。その結果、オペレーターが初期設定を行った後は、
3~5人分の作業を無人化
することに成功したとのことです。
今後は同じフロアの水平搬送だけでなく、工事用エレベーターと連動させて垂直搬送も自動化し、現場の省力化を図っていくことを目指しています。
そうなると、近未来の工事現場は資材運搬などの作業はロボットに任せて、人間は作ることに専念できるようになりそうですね。