ハードからクラウドへ!「AUJ2018」スポンサーが占うBIM/CIM進化の方向性
2018年9月3日

管理人のイエイリです。

2018年8月31日、東京・台場でオートデスクが主催す恒例のイベント「Autodesk University 2018」(以下、AUJ)が開催されました。

オートデスクのユーザーなどが一堂に集まり、国内外のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)、ロボット、AI(人工知能)などの活用について、最新の情報が飛び交うだけあって大盛況でした。

米国オートデスク社の幹部によるプレゼンテーションは、原稿は持たず、広い舞台の上を歩きながら、ジェスチャーたっぷりに語る“シリコンバレー風”の本格的なもの。スライドも映画のような仕上がりで、見応えがありました。

また、広大な展示会場も来場者の活気があふれており、世界的メーカーから関西の中小ベンダーまで、最新の製品や技術が展示されていました。

開会のあいさつをするオートデスク代表取締役社長の織田浩義氏(以下の写真:家入龍太)

開会のあいさつをするオートデスク代表取締役社長の織田浩義氏(以下の写真:家入龍太)

「創造の未来」と題して基調講演を行った米国オートデスク上級副社長のスティーブ・プラム氏

「創造の未来」と題して基調講演を行った米国オートデスク上級副社長のスティーブ・プラム氏

特別講演「建築の未来」を行った建築家・京都大学教授の平田晃久氏

特別講演「建築の未来」を行った建築家・京都大学教授の平田晃久氏

特別講演「鉄道車両のデザイン-過去・現在・未来」を行った近畿車輌取締役設計室長の南井健治氏

特別講演「鉄道車両のデザイン-過去・現在・未来」を行った近畿車輌取締役設計室長の南井健治氏

広大な展示会場には有力メーカーのブースがひしめき、来場者で大盛況

広大な展示会場には有力メーカーのブースがひしめき、来場者で大盛況

“コテコテ感”満載の関西ベンダーも堂々出展。くじ引きも行われていた

“コテコテ感”満載の関西ベンダーも堂々出展。くじ引きも行われていた

ところで、時代の流れともに、AUJも少しずつ変わりつつあるようです。かつてのBIM/CIM関連のイベントで、トップのスポンサーを務めるのは、ワークステーションや大判プリンター、グラフィックボードなど世界的なハードベンダーが多かったのではないでしょうか。

しかし、今回のAUJで最上級の「グローバルスポンサー」を務めたのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ソフトバンクC&Sや応用技術

など、ハードベンダーとは違う企業だったのです。

AUJ2018のグローバルスポンサーは、ソフトバンクC&Sとトランスコスモス/応用技術だった

AUJ2018のグローバルスポンサーは、ソフトバンクC&Sとトランスコスモス/応用技術だった

いったい、どんな製品をPRしているのでしょうか。ソフトバンクC&Sのブースに行ってみました。

ブースの奥には街の風景画や道路や空き地の航空写真のようなパネルがあり、これといった展示物は見当たりません。

すると、VRゴーグルのようなものをかけた人が、その風景画の周囲を歩きながらいろいろな角度で見ているではありませんか。

ソフトバンクC&Sのブース

ソフトバンクC&Sのブース

都市の風景画の周辺をVRゴーグルのようなものをかけて歩き回る来場者

都市の風景画の周辺をVRゴーグルのようなものをかけて歩き回る来場者

実は、VRゴーグルのようなものは、マイクロソフトのAR(拡張現実)用コンピューター「HoloLens」で、来場者の目には

クレーンシミュレーション

の映像が見えていたのです。

HoloLens越しに来場者が見ていた映像。風景画に重なって動くクレーンが見えていた(資料:ソフトバンクC&S)

HoloLens越しに来場者が見ていた映像。風景画に重なって動くクレーンが見えていた(資料:ソフトバンクC&S)

クレーンのアームが建物に近づきすぎると、アラームが表示される仕組みも(資料:ソフトバンクC&S)

クレーンのアームが建物に近づきすぎると、アラームが表示される仕組みも(資料:ソフトバンクC&S)

展示していたのは、「AR CAD Cloud」という製品で、BIMやCIMモデルなどをクラウドにアップするとHoloLens用のデータに変換してくれるものです。発売は来年春の予定です。

また、トランスコスモス/応用技術は、安井建築設計事務所とのコラボレーションでBIMを使ったクラウドによる建物の維持管理システム「BuildCAN」などを展開しています。

AUJの上級スポンサー企業が、ハードからクラウド関連に変わってきたのは、今後のBIM/CIMの進化の方向を占っているような気もしますね。

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