管理人のイエイリです。
首都高速道路は「インフラドクター」という専用車両を使った点検システムを開発し、道路施設の維持管理に使っています。
車両に3Dレーザースキャナーなどを搭載し、道路上を走行しながら路面や橋梁などの構造物を高密度の点群データによって3D計測するものです。)
インフラドクターの特徴は、点群データの計測だけではありません。点群データから、
ナ、ナ、ナ、ナント、
3Dモデルデータを自動生成
できるという世界初の機能を持っているのです。(詳しくは、当ブログ2015年11月24日の記事を参照)
このインフラドクターに目を付けたのが、東京急行電鉄と伊豆急行の東急グループです。
東急電鉄では、2018年3月に新中期3カ年経営計画を発表し、重点施策としてAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの先端技術を活用した新事業の検討を進めています。
つまり、鉄道施設をインフラドクターによって3Dの“デジタルツイン化”(電子の双子)し、様々なICT技術を適用することで維持管理作業の精度向上や生産性向上を図ろうというわけですね。
そこで東急グループは、首都高速道路や首都高技術とともに、インフラドクターを活用した「鉄道版インフラドクター」の開発を行うことになりました。
道路用の維持管理システムを鉄道に適用した事例としては、
日本初の取り組み
なのです。
道路用のインフラドクターを鉄道台車に載せて、線路で走行できるようにします。
両グループはまず、伊豆急行線の伊東~伊豆急下田間45.7kmの全区間を対象に、レーザー計測によってレールの形状やトンネルの内面形状のほか、橋梁の上部形状やレール周辺の斜面、プラットホームの形状などを計測する実証実験を行います。
これまでは、個々の施設ごとに計測を行ってきたのを、インフラドクターで丸ごと点群計測を行い、3Dモデル化できると、相当な作業の効率化につながりそうですね。
両グループは実証実験を機に、計測や運用方法、精度をさらに向上させて鉄道の新しい技術として事業化するほか、空港など他分野での技術開発も行っていく方針です。