ドローンから橋梁にカメラを突っ込む!国際航業らが次世代点検手法を実証
2018年9月4日

管理人のイエイリです。

足場のない橋梁の裏を点検する方法としては、消防車のようなアームを備えた専用の点検車を使う方法のほか、ドローンで橋桁の裏から写真を撮る方法などが注目されています。

しかし、ドローンの弱点はプロペラが付いていること。そのため大きなドローンは橋梁に近づきにくかったり、小さなドローンをかごに入れて使ったりと、なかなかうまい方法がありませんでした。

この問題を解決したのが日本アジアグループ傘下の国際航業(本社:東京都千代田区)とエアロネクスト(本社:東京都渋谷区)です。

このほど、群馬県内の橋梁で実証実験を行ったのですが、長いポールを取り付けたドローンを使い、

ナ、ナ、ナ、ナント、

カメラを橋桁に突っ込む

という画期的な方法で、狭いトラス内を近接撮影することに成功したのです。

長いポールを取り付けたドローンが橋梁に接近(以下の写真、資料:エアロネクスト)

長いポールを取り付けたドローンが橋梁に接近(以下の写真、資料:エアロネクスト)

ポールの先端に取り付けたカメラを橋桁の中に挿入

ポールの先端に取り付けたカメラを橋桁の中に挿入

20180904-image03

橋桁内から補剛材を見下ろしたところ

橋桁内から補剛材を見下ろしたところ

ボルト類もくっきり撮影

ボルト類もくっきり撮影

この点検に使われたドローンはエアロネクストの「Next INDUSTRY」というもので、同社独自の重心制御技術「4D Gravity」を搭載しています。

ドローンに積んだモノの重量が機体の飛行に影響を与えないようにする技術で、ドローンの飛行姿勢や動作に応じて、重心位置を最適化するものです。ドローンの機動性が向上し、安全に飛行できるだけでなく、燃費も向上するというメリットがあります。

この技術を使うことで、ドローンの上に4mものポールを付けて撮影できるほか、

釣りざおのような

水平ポールを付けて、橋桁の側面やトラス内部を近接撮影することもできるのです。

ドローン上方に全長4mのポールを付けた例

ドローン上方に全長4mのポールを付けた例

4mの水平ポールを付けて壁面などを撮影した例。ドローン上の別のポールでバランスをとっている

4mの水平ポールを付けて壁面などを撮影した例。ドローン上の別のポールでバランスをとっている

このほか、橋梁点検専用のドローンには、24時間飛行が可能な地上給電システムも採用する予定です。

ドローンとポールの合わせ技で、点検の範囲や自由度は、飛躍的に広がりそうですね。

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