管理人のイエイリです。
高齢者の見守りや、照明・空調の自動制御などのシステムでは、建物内の人の位置や動きを把握する仕組みが必要です。
これまでは赤外線センサーやカメラなど、上から計測する方法が主流でした。しかし、考え方を変えると、逆に下から計測するという方法もあります。
凸版印刷は、「ロケーションフロア」を開発し、2018年12月に本格発売することになりました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
床材に圧力センサー
が仕込んであり、人がその上を歩くことにより位置を計測し、位置情報をクラウドサーバーに送信することができるのです。
床材で人の位置を計測し、IoT化(モノのインターネット)を測るとは驚きました。建材メーカーならではの逆転の発想ですね。
位置を計測するセンサーは床材と一体化しているため、外観も踏んだときの感触も普通の床材と変わりません。
そのため、カメラや赤外線センサーのように“監視されている”というストレスがなく、プライバシーが求められる場所でも違和感なく使えるのが特長です。
脱衣場やトイレなど、ヒートショックが起きやすい場所でも設置しやすいので、人が入ってきたら暖房を自動的にオンにするといったシステムも導入しやすくなります。
そして驚くことに、この床材には踏んだ圧力によって
自己発電
する機能も仕込まれているのです。
そのため通常の床材と同じように施工できるうえ、配線工事が不要なので短工期・低コストで使えます。新築だけでなく、リノべーションなどでも使えます。
気になるお値段ですが、脱衣場やトイレなどプライベート空間での見守りが可能な床材一式で約25万円からとなっています(システム構築費などは別途)。
これだけでもビックリですが、さらに凸版印刷は体重や体脂肪率などを計測できる「体組成計」を組み込んだ床材や、生活情報などを受信して表示できるディスプレー付きの壁材も、「トッパンIoT建材」として開発していくそうです。
床材や壁材がスマート化すると、建物の中もごちゃごちゃした機器が少なくなってデザインもすっきりしそうです。近い将来にはロボットとの連携などもできそうですね。