ラズパイで動作!ウェザーニューズがAI動画解析で道路の異常発見
2019年1月7日

管理人のイエイリです。

道路の管理業務では、路面の状況を把握するのに、現場や定点カメラの映像を人間が目視で確認する方法が主流です。

そのため積雪や凍結、路面の損傷などが発生したときに、発見まで時間がかかったり、人によって判断にバラツキが生じたりすることもあります。

そこで天気情報会社のウェザーニューズは、クルマに載せたカメラによって撮影した高解像度の映像を、

ナ、ナ、ナ、ナント、

AIで動画解析

することによって、路面状況の変化を自動的に検知し、地図上にマッピングする技術を開発したのです。(ウェザーニューズのプレスリリースはこちら

車載カメラの映像から路面の異常を自動的に発見する「AI道路管理支援システム」(以下の写真、資料:ウェザーニューズ)

車載カメラの映像から路面の異常を自動的に発見する「AI道路管理支援システム」(以下の写真、資料:ウェザーニューズ)

このシステムは「AI道路管理支援システム」というもので、2019年夏までに実用化を目指しています。

車載カメラで撮影した高品質映像をリアルタイム解析し、道路管理者がクラウド上のコンピューターで見られるものです。リアルタイム解析が実用化されると、日本で初めての取り組みとなります。

動画解析には、画像解析や機械学習などの機能を持つオープンソースライブラリー「OpenCV」を使っています。

技術開発はウェザーニューズのほか、情報通信研究機構(NICT)やクレアリンクテクノロジー(本社:京都府相楽郡精華町)、IoTコンサルティング(本社:東京都港区)が協力しました。

「AI道路管理支援システム」の概念図

「AI道路管理支援システム」の概念図

リアルタイムに動画解析を行い、しかもクラウドにデータを送信するという処理に、どんなスゴいコンピューターが使われているのかと思いきや、

Raspberry Pi(ラズベリーパイ)

という、通称“ラズパイ”と呼ばれている手のひらサイズのシングルボードコンピューターで動いているのです。

組み込みシステムなどに使われているラズパイの例。LED表示板を搭載したもので、今回の事例とは無関係です(写真:家入龍太)

組み込みシステムなどに使われているラズパイの例。LED表示板を搭載したもので、今回の事例とは無関係です(写真:家入龍太)

キーボードやモニターなどをつなぐとパソコンとして動作する(写真:家入龍太)

キーボードやモニターなどをつなぐとパソコンとして動作する(写真:家入龍太)

ウェザーニューズは凍結による路面の損傷を検知できるかを確認するため、2018年10月22~23日、盛岡市の協力を得て実証実験を行いました。その結果、路面の損傷を検知できることを確認したとのことです。

この冬は路面凍結や積雪の把握、道路の白線検知に関する実証実験を行います。

これだけの高性能なシステムが、オープンソースのソフトや、安価なシングルボードのコンピューターで構築できるとは、すばらしい時代になりましたね。道路管理のIoT(モノのインターネット)化が、ますます加速しそうです。

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