建物診断会社がAIの教師データを作成!スタッフの専門性がすごすぎる

2019年2月6日

管理人のイエイリです。

最近、コンクリート構造物や石垣などの劣化診断にAI(人工知能)の「ディープラーニング」が使われることが多くなりました。

ディープラーニングとは、現場の写真と、その中で劣化している部分の画像をセットにした「教師データ」を何百枚、何千枚とAIに「学習」させる方法です。その結果、AIは新しい写真を読み込んだときに、劣化部分を指摘できるようになります。

そこで問題となるのが、膨大な数の教師データをどう作成するかです。実際の現場写真を数多く集め、それぞれの写真の上に劣化部分を書き込むには、膨大な労力と専門性が求められるからです。

そこで建築・土木構造物の調査・診断業務を行うジャスト(本社:横浜市青葉区)は、画期的な事業を始めました。

ナ、ナ、ナ、ナント、

教師データの作成を支援

する「J-Brain Annotation」という新サービスなのです。(ジャストのプレスリリースはこちら

作成した教師データの例。鉄筋錆のあるコンクリート構造物の写真(上)と、さびた鉄筋と爆裂部分を色分け表示した画像がセットになっている(以下の写真、資料:ジャスト)

作成した教師データの例。鉄筋錆のあるコンクリート構造物の写真(上)と、さびた鉄筋と爆裂部分を色分け表示した画像がセットになっている(以下の写真、資料:ジャスト)

天井内設備の写真と各部分の名称の教師データ

天井内設備の写真と各部分の名称の教師データ

鉄骨部材と腐食ランクを色分け表示した教師データ

鉄骨部材と腐食ランクを色分け表示した教師データ

上記はジャストが作成した教師データの一例ですが、一般の企業にとってこれらを数百枚単位で作成するのは、相当な労力がかかりそうなのは容易に想像できますね。

しかし、同社は約420人のスタッフが、カメラやドローン(無人機)などを使って建築・土木構造物の調査や診断業務を毎日、行っていますので、業務そのものが教師データの事例収集作業と言っても過言ではありません。

そのため、一般企業に比べて様々な構造物の、膨大な数の劣化画像を集めることができるのです。

しかし、教師データの作成には、AIの仕組みやディープラーニングの開発、現場写真の分析力など、様々な分野の専門知識が求められます。

そこで教師データの作成を担うのが、「チーム J-Brain」という技術者集団です。

建築や建材、コンクリート診断といった建設分野の専門家はもちろん、

機械学習や画像処理

そしてドローン操縦やロボティクス、経営コンサルタントなど、多岐にわたるプロフェッショナルたちが集まっているのです。

多岐にわたる専門性をもつ「チーム J-Brain」のプロフェッショナルたち

多岐にわたる専門性をもつ「チーム J-Brain」のプロフェッショナルたち

泥くさい現場のことも熟知したうえで、AIやディープラーニングとの相性もわかる専門家なら、高品質、高精度の教師データを作ってくれそうですね。

同社のウェブサイトには、彼らが作成した教師データの実力を試せる「外壁仕上げ材判定AI」というコーナーが用意されています。外壁が写った写真を選んで「判定する」ボタンを押せば、それが何パーセントの確率でどんな建材なのかを解析してくれます。

「外壁仕上げ材判定AI」コーナー。城壁っぽい写真を選んでボタンを押すと、99.7%の確率で「石張り」材と判定してくれた

「外壁仕上げ材判定AI」コーナー。城壁っぽい写真を選んでボタンを押すと、99.7%の確率で「石張り」材と判定してくれた

まさか、建物の診断会社がこれほどハイテク化されているとは、知りませんでした。建築・土木の維持管理技術は、ますます高度化していきそうです。

 
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