管理人のイエイリです。
VR(バーチャルリアリティー)用の本格的なヘッドセット、「Oculus Rift」や「HTC Vive」が発売された2016年は、“VR元年”と呼ばれています。
以来、VRやAR(拡張現実)用のヘッドセットの市場は拡大し、昨日(2019年2月25日)はマイクロソフトの高性能なARヘッドセット「HoloLens2」が発表されるなど、VRやARは質・量ともに成長を続けています。
この潮流はもちろん建設業界にも影響を与えており、建物や土木構造物のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)/CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)をARやVRで見ながら打ち合わせしたり、販売したりという仕事のやり方はますます増えてくるでしょう。
そこで必要となるのは、BIM/CIMモデルをARやVRで使えるデータに変換する作業です。これまでは手作業が多く、数日間かかるのが普通でした。
そこでソフトバンクのグループ企業であるSB C&S(本社:東京都港区)とホロラボ(本社:東京都品川区)は、BIM/CIMモデルを簡単にHoloLensなどのAR/VR機器用データに変換できるクラウドサービス「mixpace」を共同開発し、2019年2月25日に販売を開始しました。
BIM/CIMモデルのデータを
ナ、ナ、ナ、ナント、
クラウドにアップするだけ
で、自動的にARやVR用機器で使えるデータに変換してくれるのです。(SB C&Sのプレスリリースはこちら)
変換するデータ量にもよりますが、変換時間は最短で10分で完了します。
クラウドサービスには、オートデスクの「Forge」を利用しているので、RevitやAutoCADなどオートデスク製ソフトのデータ形式のほか、IFC型式やFBX型式など約20種類のデータ形式に対応しています。
気になるお値段ですが、対応するデータ形式によって少し違っており、Revit用の「RVT型式」を含む「mixpace standard+R」は、
1年間で138万円
となっています。RVTを含まない「mixpace standard」の場合は1年間で116万4000円です。
今後は、グラフィソフトの「ARCHICAD」への対応や、クラウド上でVRを見ながらバーチャル会議を開く機能なども追加していく予定とのことです。
BIM/CIMモデルをARやVRで使えると、施工時や完成後の問題点を設計段階で修正しておく「フロントローディング」や、バーチャル会議による移動のムダ削減による生産性向上などの効果がますます期待できそうですね。
BIM/CIMユーザーの方は、そろそろARやVRへの対応を準備しておかれてはいかがでしょうか。