管理人のイエイリです。
リアルな現場と、バーチャルな3DモデルやCAD図面を実物大で重ねて見られるMR(複合現実)デバイス「Microsoft HoloLens」を、施工管理に使う機運が高まっています。
このとき重要なのが、現場と3Dモデルなどの位置合わせです。これまでは「マーカー」と呼ばれる原点を現場に置き、それを目印にして現場と3Dモデルの位置を合わせていました。
しかし、課題もありました。マーカーから離れていくと、だんだん位置合わせの精度が悪くなり、これまでは原点から10m離れると3cmくらいの誤差が出ていたのです。
その問題がこのほど解決されました。トプコンの墨出し用測量機「LN-100」とHoloLensを連携させることにより、
ナ、ナ、ナ、ナント、
30m先で誤差5mm
という、驚異の高精度が実現されたのです。(インフォマティクスのプレスリリースはこちら)
ヘルメット上部にトータルステーションによる測量で使われる受光用のプリズムを取り付け、LN-100でその位置を追跡することにより、HoloLensの位置座標が高精度にわかります。
そして、インフォマティクスが開発したMR用ソフト「GyroEye Holo」とHoloLensに、測定した位置座標を連携させることで、実寸大の3DモデルやCAD図面を高精度に現場に重ね合わせることができるのです。
トプコンの「LN-100」は、これまでの測量機器には必須とも言える望遠鏡が付いていません。にもかかわらず、
プリズムを自動追尾
して、トータルステーションのように高精度で測定する変わった測量機です。
このシステムは、福井県大野市でIHIインフラ建設が施工中の「大野油坂道路九頭竜川橋上部工事」の現場でも、実証実験が行われました。
このシステムは「GyroEye Holo TS+」(仮称)として、2019年夏ごろ、千代田測器から発売される予定です。
今年は現行のHoloLensに比べて、視野角が上下左右にそれぞれ2倍に広がり、精度も高くなった、「HoloLens2」も発売される予定です。LN-100との連携で、精度面でも桁違いに改善が進んだことで、HoloLensによる施工管理はぐっと実用性が高まりそうですね。