管理人のイエイリです。
建設現場で発生する死亡事故原因のトップは、高所からの墜落です。続いて建機との接触や交通事故、落ちてくるモノにぶつかる飛来落下などもあります。
こうした事故を防ぐために、安全帯を着用する、手すりを設けるなど、気をつけるべき点を聞かれれば、もちろん答えられる人が多いでしょう。しかし、作業に熱中してしまうと、つい油断してこれらの「原理原則」を忘れてしまい、事故につながるのです。
そこで積木製作(本社:東京都墨田区)は、バーチャルリアリティー(VR。仮想現実)の技術を使って、作業中の事故をリアルに体験できる「安全体感VRトレーニング」を2017年4月に第一弾をリリースしました。
今では、
ナ、ナ、ナ、ナント、
100社に及ぶ導入実績
を上げているのです。
例えば、手すりは重要ということをわかっていても、枠組み足場の部材を下の階にいる作業員に手渡そうとすると、外してしまいたくなることがあります。
上のVRはまさにそんなシーンを再現したもので、不安全な状態で何度も作業を繰り返しているうちに、ついにバランスを崩して墜落する、といった体験ができます。
VRなので実寸大、立体視で下界を見られるうえ、バーチャルな墜落までいってしまうと、その恐怖は体の中にしみつき、現場でも“二度と”同じミスは繰り返すまいと思い出すことでしょう。
このほかの事故としては、電車基地の踏切上に何気なく置かれたバケツを取ろうと近づいたときです。バケツをもってさあ戻ろうと思った瞬間、目の前に低速運転で静かに近づいていた電車があったというものです。
さらにベルトコンベアについた汚れを拭き取るとき、急に動き出して手がはさまれる、配電盤の工事で主電源を切らないでレンチを使ったため感電した、などのよくある事故が建設会社などのアドバイスを受けながら再現されています。
安全体感VRトレーニングでは、こうしたシナリオに基づいて何かの作業を行うとき、危険な点をちゃんと被験者が確認したかを採点できるようになっています。
そして、このほど積木製作は、ビルの修繕工事などを手がけるマサル(本社:東京都江東区)の安全教育ノウハウを利用して
ゴンドラ作業中の墜落
を体験できるVRコンテンツを同社と共同開発しました。(積木製作、マサルのプレスリリースはこちら)
屋上からロープやワイヤで吊り下げられたゴンドラは、いったいどんなときに墜落するのでしょうか。注意すべきポイントは、体調の確認やゴンドラに持ち込む工具、強風、突然の停止など、様々なところに潜んでいるようです。
雨天や強風などで作業ができないときは、こうしたVRコンテンツで訓練し、何度も“死ぬような体験”をしておくのも、いいかもしれませんね。