管理人のイエイリです。
コンクリートのひび割れ発見や道路舗装の異常発見など、公共インフラの維持管理に、AI(人工知能)が使われ始めています。
ICT(情報通信技術)を活用して、建設分野の生産性向上を目指す「i-Construction」を推進する国土交通省は、構造物点検などに使われるAIの研究開発を促進するため、「AI開発支援プラットフォーム」の設立を検討しています。
現在のインフラ点検では、ドローンやロボットがインフラのデータを収集し、人間の専門家がそれを見て異常を発見していますが、将来はAIを使って
ナ、ナ、ナ、ナント、
人の「判断」を効率化
することを目指しているのです。(国土交通省のプレスリリースはこちら)
国交省は「AI開発支援プラットフォーム」の設立について検討するため、「AI開発支援プラットフォームの開設準備ワーキング・グループ」(以下、AI-PF準備WG)を設け、2018年11月と2019年7月に会合を開きました。
メンバーを見ると、大手建設コンサルタントや電気・通信メーカー、調査・研究機関などそうそうたるメンバーがそろっていることがわかります。
●AI-PF準備WGの会員一覧 (五十音順) | |
アジア航測 イクシス 岩崎 橋梁調査会 グローバルウォーカーズ 首都高速道路技術センター 大日本コンサルタント デンソー 日本海コンサルタント 日本工営 |
パシフィックコンサルタンツ 日立製作所 福山コンサルタント 富士通 富士電機 三菱電機 理化学研究所 八千代エンジニヤリング |
このメンバーで検討しているのは、AIが現場のデータから異常などを発見させるための教育に使われる
良質な”教師データ”の提供
を行うことです。
例えば、コンクリートのひび割れ発見を行うAIを開発する場合、コンクリート表面の写真とセットで「ひび割れ部分」を示したデータを大量に読み込ませます。
これに使われるのが教師データですが、数百、数千という膨大な数のデータを、各社が準備することは大変です。
そこで、土木技術者の正しい判断をもとにした良質な教師データを国が整備し、人工知能開発者に提供しようというわけです。
もともとAIの開発者は、あまりインフラの現場とは縁がありません。こうした現場データが大量に提供されると、本来のAI開発業務に集中できるので、インフラ点検用AI分野への参入者も増えそうですね。