LAN配線不要!PicoCELAと西松建設が高層ビル現場のWi-Fi化に成功
2019年9月5日

管理人のイエイリです。

工事現場にタブレットやロボット、MR機器などを導入するとき、現場にWi-Fi環境を導入するのは必須と言っても過言ではありません。

普通はWi-Fiルーターを何台も設置し、ルーター間をLANケーブルでつなぐという方法が一般的ではないでしょうか。長ったらしいLANケーブルは敷設も大変で費用がかかるし、施工のたびに移設するのも面倒ですね。

そこでWi-FiルーターメーカーであるPicoCELA(以下、ピコセラ。本社:東京都中央区)と西松建設は、地上30階建ての高層ビルの工事現場で、現場用のWi-Fi環境をラクに設置する実験に成功しました。

ピコセラの屋外用アクセスポイント「PCWL-0410」を使い、

ナ、ナ、ナ、ナント、

LANケーブル配線なし

で、現場内すべてをWi-Fi化したのです。(ピコセラと西松建設のプレスリリースはこちら

屋外用アクセスポイント「PCWL-0410」。IP67相当の防水性能がある(写真:ピコセラ)

屋外用アクセスポイント「PCWL-0410」。IP67相当の防水性能がある(写真:ピコセラ)

このアクセスポイントは、幅250mm×奥行き250mm×高さ86mmで、重量は約1.8kgです。動作温度は-20~55℃、防水性能はIP67相当です。

無線多段中継機能が付いており、現場にいくつも設置すると電波の届くアクセスポイント同士が無線でつながります。これが従来のLANケーブル配線の代わりになるのです。

両社はこのビルで2通りの通信ルートを実験しました。現場の仮囲い上に親機を設置し、ビル内のいろいろな場所にアクセスポイントを設置して、ビル内の12カ所でWi-Fiの通信速度が目標値に達しているかを計測したのです。

まず、1つめのルートとしてビルの屋上にアクセスポイントを置き、親機と100m以上の通信を確立します。そこから、

ビルの吹き抜け

を利用して、下層部までの通信環境を整備することに成功しました。

その後、2つめのルートとして、中層部のベランダにアクセスポイントを置いて親機と通信を確立し、その後、ビル内の吹き抜けを利用して上層階に通信環境を整備することにも成功しました。

アクセスポイント間の無線通信ルートイメージ(資料:ピコセラ、西松建設)

アクセスポイント間の無線通信ルートイメージ(資料:ピコセラ、西松建設)

この成功を受けて、西松建設では様々な現場にピコセラのPCWL-0410を導入していくとのことです。

現場でのWi-Fi環境構築に悩んでいる方は、LANケーブル配線なしの方式を検討してみてはいかがでしょうか。

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