都市全体をデジタルツイン化!ベントレーが2社買収でソリューション強化
2019年10月25日

管理人のイエイリです。

2019年10月21日から24日まで、シンガポールで開催されている米ベントレー・システムズ主催のイベント「Year in Infrastructure 2019」(以下、YII2019)では、「デジタルツイン」(デジタルの双子)が大きなテーマになっています。

街並みのデジタルツイン化について講演する米ベントレー・システムズCEOIのグレッグ・ベントレー(Greg Bentley)氏(写真:家入龍太)

街並みのデジタルツイン化について講演する米ベントレー・システムズCEOIのグレッグ・ベントレー(Greg Bentley)氏(写真:家入龍太)

実物の建物や構造物、工事現場などを、3Dモデルや時間軸を入れた4Dモデルで表現し、コンピューターの力を借りてシミュレーションや最適でムダのない設計・施工・運用・維持管理を行おうというものです。

その規模は、建物や構造物単体から、大学のキャンパスなどへと広がり、さらには

ナ、ナ、ナ、ナント、

 

都市全体をデジタルツイン化

 

する「デジタル・シティーズ(Digital Cities)」まで広がっています。(ベントレーシステムズの英文リリースはこちら

フィンランドの首都ヘルシンキのデジタルツイン(資料:Courtesy of City of Helsinki)

フィンランドの首都ヘルシンキのデジタルツイン(資料:Courtesy of City of Helsinki)

その方法論も、だんだん確立されてきました。

同社はドローンや飛行機によって空撮した写真から、シャープな3Dモデルを作る「ContextCapture」というソフトを開発・販売しています。

空撮写真だけだと、路面やビルのファサードが波打った3Dモデルになってしまいます。

そこで、ベルギーのオービット・ジオスペーシャル・テクノロジーズ(Orbit Geospatial Technologies)を買収し、空撮写真に加えて地上型レーザースキャナーや移動式のMMS(モービルマッピングシステム)で計測した点群データを入れて3Dモデル化することにより、非常に高精度な3Dモデルを簡単に作るという方法を開発しました。

航空写真だけだと道路やビルのファサードが波打ってしまう(左)が、地上で計測した点群データと一緒に処理することで非常に高精度の3Dモデルができる(右)(資料:Courtesy of Bentley Systems)

航空写真だけだと道路やビルのファサードが波打ってしまう(左)が、地上で計測した点群データと一緒に処理することで非常に高精度の3Dモデルができる(右)(資料:Courtesy of Bentley Systems)

オービットGTの技術で作成した都市の3Dモデル(資料:Courtesy of Orbit GT)

オービットGTの技術で作成した都市の3Dモデル(資料:Courtesy of Orbit GT)

さらに、都市の3Dモデルに、クルマや人の移動情報を加えるため、米国カリフォルニア州サクラメントのシティラブス(Citilabs)も買収しました。

携帯電話のGNSS情報から、クルマや人の移動情報を収集して分析する同社の「CUBE」というシミュレーション技術により、街中を行き交うクルマや人の情報も加えた

 

“生きたデジタルツイン”

 

が作れるようになりました。(2社の買収についてのベントレー・システムズの英文リリースはこちら

CitilabsのCUBEでGIS(地理情報システム)上に表した交通状況(資料:Courtesy of Citilabs)

CitilabsのCUBEでGIS(地理情報システム)上に表した交通状況(資料:Courtesy of Citilabs)

BIMの次元は、3D(立体形状)、4D(+時間軸)、5D(+コスト軸)と増えていきますが、デジタルツインではニーズに応じて人の動きや建物・構造物の様々な状態を含むことになるため、「6D」とも言われています。

建築・土木関係者は、デジタルツインを考えるとき、ハードな面だけでなく、ソフトな面も属性情報として求められることになりそうです。そこに、他業種とのコラボレーションの可能性が広がってきそうですね。

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