設備をかすめてドローンが3D飛行!東芝がプラント施設をデジタルツイン化
2019年11月6日

管理人のイエイリです。

煙突やボイラー、配管などが複雑に入り組んだプラント施設は、その多くが高度成長期に建設されたため、50年ほど経過したものも少なくありません。

その維持点検作業は、作業員が簡単に立ち入れない場所があったり、高所のため足場を組む必要があったりと、大変です。

プラント施設の例。東芝傘下のシグマパワー有明が運営する三川発電所のボイラー施設(以下の写真、資料:東芝、東芝エネルギーシステムズ)

プラント施設の例。東芝傘下のシグマパワー有明が運営する三川発電所のボイラー施設(以下の写真、資料:東芝、東芝エネルギーシステムズ)

そこで東芝と東芝エネルギーシステムズは、実物のプラント施設をコンピューター上で3Dモデルに再現する技術を開発しました。

複雑なプラント施設の3Dモデルは、

ナ、ナ、ナ、ナント、

プラント内をドローンが飛行

して連続写真を撮影し、それをコンピューターで処理して作っているのです。(東芝のプレスリリースはこちら

プラント内を飛行するドローン

プラント内を飛行するドローン

コンピューター上に作成されたプラントの3Dモデル

コンピューター上に作成されたプラントの3Dモデル

プラントを3Dモデル化する流れ

プラントを3Dモデル化する流れ

プラント施設には煙突やボイラーなど、複雑な形状の設備がひしめいているので、ドローン(無人機)の飛行に当たっては、これらの設備に接触や衝突しないようにする必要があります。

そこでまず、3Dレーザースキャナーでプラント施設の3D形状を点群計測し、その上で各設備から安全な距離をとった飛行ルートを設定します。

まずは3Dレーザースキャナーでプラント全体を点群計測する

まずは3Dレーザースキャナーでプラント全体を点群計測する

点群データ上でドローンの飛行ルートを作成

点群データ上でドローンの飛行ルートを作成

後は、この飛行ルートに沿ってドローンを自律飛行させながら、プラント各部の詳細な写真を空撮します。その写真データをコンピューターで処理することにより、3Dモデルを作ります。

プラント内でのドローンの飛行

プラント内でのドローンの飛行

ドローンが撮影したプラントの写真

ドローンが撮影したプラントの写真

ドローンが撮影した写真は、3Dモデルとリンクさせて管理できるので、見たい部分写真を3Dモデル上からすぐに探し出せます。

さらに錆などの劣化箇所を

画像解析で自動発見

することもできるので、定期的に点検することで経時変化を把握し、将来の劣化予測を行うこともできそうです。

3Dモデル上にリンクした写真と、劣化箇所(赤色部分)

3Dモデル上にリンクした写真と、劣化箇所(赤色部分)

東芝グループでは、この技術を「サイバーフィジカルシステム」と呼んでいますが、実物の構造物をデジタルモデルとしてコンピューター上に再現して管理する「デジタルツイン(デジタルの双子)」と同じものと言えそうです。

この技術は、2019年11月7日~8日、東京・台場で開催される「OPEN INNOVATION FAIR 2019」で展示されるとのことですので、ご興味のある方はどうぞ!

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