Vectorworksを活用し、3Dプリンターで造形
アンズスタジオがHP Z220SFFでデジタルファブリケーション(日本HP)
2013年10月10日

竹中司氏が代表を務めるアンズスタジオは、施工部門を新設し、3軸5軸のCNCや産業用ロボットなどのデジタルファブリケーションを用いた実践的なものづくりに取り組んでいる。この部門に欠かせないのが、3次元CAD「Vectorworks」と3Dプリンターだ。そのデータ処理や3Dプリンターの駆動には、日本ヒューレット・パッカードの省スペース型ワークステーション「HP Z220SFF Workstation」も活躍中だ。

嬉野市社会文化会館 折り紙ホール:「折り紙と音響最適化プログラム」を開発。音とカタチの融合を実現した

   3Dプリンターでの造形を安定した動作で支えるZ220SFF

「キューン、キューン」と軽い音を立てながら動き続ける3Dプリンターの中では、折り角度や深さが微細に変化している、何とも複雑なホール形状スタディー模型が姿を現しつつある。2014年竣工予定の嬉野市社会文化会館、折り紙ホールのスタディー模型だ。これまでのように、紙を切断し組み立てていくような手作業ではまず、絶対に作れない繊細な形だ。

その3Dプリンターに接続された日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)の省スペース型ワークステーション「HP Z220SFF」(以下、Z220SFF)のモニター画面には、造形中の模型の音響解析情報が表示されている。

「3Dプリンターに使われる材料は、まだ高価で完成までの時間もかかります。そのため、3Dプリンターでの造形作業にはサーバーと同様に長時間、安定して動作する高い信頼性を持ったワークステーションが理想的なのです。その点、Z220SFFは安心して使えます。省電力タイプなので長時間の使用でも電力消費が少ないのも評価できます」(竹中氏)

様々に浮かび上がるアイデアが、プログラムを介して形態生成され、即座に3Dプリントされる、インタラクティブな思考のプロセス
プロジェクションマッピング模型:音のふるまいを空間に可視化させる模型

  ものづくりの自由度を上げるデジタルファブリケーション

アンズスタジオは、新しく施工部門を設立。設計から施工までをシームレスにつなぐ、先進的なものづくりプロセスをサポートしている。

近年、コンピュータの高速化や、「Vectorworks」をはじめとするソフトウエア性能の向上に伴い、複雑で多様な形態が自由に描けるようになってきた。しかしながら、そうした形態を実際に施工するのは、まだ困難であり、高いコストがかかってしまうのが現実だ。

「そこでアンズスタジオでは、デジタル工作機器の技術に注目し、設計から施工までのトータルなものづくりのサポートを開始しました。すべての形が異なった部材や、複雑で繊細な形状の制作が可能になり、これに加え、安価な施工価格を実現しています」と竹中氏は話す。

アンズスタジオでは、これまでに、コンピュテーショナル・デザイン(計算幾何)の技術を用いて、設計事務所と共同で多くのプロジェクトに携わってきた。具体的には、「ソニーシティ大崎 ランドスケープ計画」、「小学館神保町3-3ビル」(日建設計 山梨知彦チーム)や、音とカタチの最適化を行った「嬉野市社会文化会館 折り紙ホール」(末光弘和+末光陽子/SEUP.)などがある。こうしたプロジェクトでも、実施施工の工程が問題に上がった。

「施工部門では、3Dプリンターのほかレーザーカッターや3軸5軸CNCルーター、さらには産業用ロボットなどのコンピュータ制御の工作機械を用いて、金属加工や木加工を中心に建築施工を実践しています。CAMデータの作成や、ロボット言語によるプログラム開発が中心です」

「最近話題になっている3Dプリンターは、コンピュータによって素材を盛りながら造形できる点で、ものづくりの自由度を大幅に拡張する画期的な工作機械と言えます」と竹中氏は続ける。

ちなみにレーザーカッターは、コンピュータで作図した切断線通りに木材やアクリル板などを複雑な形に「切断」、CNCルーターは3Dモデル通りに木材などを「切削」する機械、ロボット工作機器は、3軸以上の自由度を持ち、自動制御、およびプログラム可能なマニピュレーターだ。こうしたコンピュータ制御の工作機械を駆使してものづくりを行う技術を、「デジタルファブリケーション」という。

東京大学 99 FAILS PAVILION:完成イメージ図
産業用ロボットによるレーザー溶接の作業風景

  造形までの一連の作業に安心して使えるZ220SFF

現在、11月に完成予定の「99 FAILS PAVILION」(東京大学 小渕研究室)のコンポーネント開発を担当している。プログラミングを用いて産業用ロボットを操り、250個以上の異なる形状を制作中だ。

こうした実施施工現場でも、コンパクトで、かつ十分な性能を兼ね備えたZ220SFFの特徴が力を発揮している。オフィスの中だけではなく、施工現場のすぐそばでも使用することが可能だ。最新のインテルR C216 チップセットを採用し、電力効率と高速処理を両立させたインテルR XeonR プロセッサーE3-1200 v2ファミリーで最大8コアの並列処理による高速な演算処理が行え、SSDをキャッシュとして使える。

「Z220SFFなら大容量のモデルをファブリケーション機器で造形するまでの一連の作業に安心して使えます。ビデオカードの性能を上げても、そのコンパクトさが保たれている点も重要なポイントですね」と竹中氏は言う。

本体の開閉の様子(左)、メンテナンス性の高い内部構造(右)

  日本の伝統工法と最新の生産方式を融合

アンズスタジオでは、さらに新プロジェクト「モノヅク・プロジェクト」がスタート。日本が誇る職人技法、伝統工法に加え、最新のデジタルファブリケーション技術を保有する地域の中小企業を集約し、その技術力を最大限に引き出した、デザイン性の高いものづくりの企画・制作を行っている。

「モノヅク・プロジェクトでは、複製を基本として成り立っていた従来の大量生産手法とは異なり、多様な商品を生み出すイノベーティブな生産手法「少量多品種生産」を用いた、まったく新しい生産方法を模索しています。すばやく模型をプリントできる3Dプリンターの重要性は、高度な形態のスタディーだけではなく、顧客の皆さんのためにも必要性が高いと言えますね」(岡部氏)。

モノヅク・プロジェクト 住宅開発:3Dプリントした多種多様な住宅モデル

北米の大学で先進建築学を身につけた両氏は、先進的なテクノロジーを用いて新しいものづくりの世界を切り開く一方、豊橋技術科学大学などでの建築教育にも携わっている。「建築教育の現場で実績と定評のあるVectorworksと、低価格化が進んだ3Dプリンター、そしてZ220SFFワークステーションの組み合わせは、コンピュテーショナル・デザインとデジタルファブリケーションの現場のほか、建築やデザイン教育の現場でもお勧めできます」と竹中氏は語った。

アンズスタジオ代表の竹中司氏(右)と岡部文氏(左)

このほか、エーアンドエーは、Vectorworksと連動する様々な解析・シミュレーションソフトを開発している。例えばヒートアイランド現象などを解析する「ThermoRender」や、人の避難行動などをシミュレーションする「SimTread」、気流をシミュレーションする「Windworks」などだ。

AnS Studio | アンズスタジオ
http://www.ans-studio.com/

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東京都江東区大島2-2-1
オンラインストア HP Directplus
TEL : 03-6416-6161
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