小学生からプロまで!VRやBIM、プログラミングを競う
5つのコンテスト結果を発表(フォーラムエイト)

2016年1月19日

恒例の「フォーラムエイト デザインフェスティバル2015」が11月19日、東京・品川で開催された。中でも注目されたのは、VR(バーチャルリアリティー)やBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)、プログラミングをテーマに競う5つのコンテストの結果発表だ。小学生からプロまでが熱戦を繰り広げた結果はどうなったのか。

ジュニア・ソフトウェア・セミナー作品賞
小学2年生も堂々、ゴールドプライズを受賞

フォーラムエイトは夏休みなどの期間を利用して、小中学生を対象にバーチャルリアリティーソフト「UC-win/Road」を使って町やジオラマなどを作る「ジュニア・ソフトウェア・セミナー」をこれまで4回、開催してきた。

「フォーラムエイト デザインフェスティバル2015」では、2015年に開催された同セミナー参加者が作った作品の中から、ゴールドプライズ、シルバープライズ、それぞれ5人が表彰された。同セミナーの作品が表彰されるのは今回が初めてだ。ゴールドプライズの受賞者には、小学2年生もいた。

 

今回、初めて行われたジュニア・ソフトウェア・セミナー作品賞の受賞者たち

今回、初めて行われたジュニア・ソフトウェア・セミナー作品賞の受賞者たち

 

プレゼンターの阿部祐二氏は、大勢の来場者の前で受賞者ひとり一人にインタビューを行った。「バーチャルリアリティーによる作品づくりは楽しかった」など、小中学生ながら堂々とした受け答えが目を引いた。

また、遠隔地のため会場に来られなかった受賞者は、テレビ会議システムを通じて、各地にあるフォーラムエイトのショールームで授賞式に参加した。

プロ用の「UC-win/Road」は、小学生にとっても楽しく使える設計ツールであることが実感される授賞式だった。

プレゼンターの阿部祐二氏によるインタビューに答える受賞者たち

プレゼンターの阿部祐二氏によるインタビューに答える受賞者たち

●ゴールドプライズを受賞した作品

小学5年生大阪の街、通天閣のある新世界を表現した。実際の地点を地形取得し、高架道路や道路を張り巡らした中をシミュレーションできる。  image005
小学校2年生渦を巻いて上昇あるいは下降する高架道路、その脇をぬって巨大な岩石が様々な速度で飛んでくるなど異空間の趣にあふれている。  image004
中学校1年生
交差点が多数生成され、横断歩道などの路面表示が整備されている。交差点間はアンダーパスでつないだり、商店街になっていたり、ビルやドームが街らしさを演出している。
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小学校3年生長い道路と線路が、平面交差だけでなく、立体交差が点在する作品となっている。スタジアムや海遊館のモデルなど大きめのモデルを活用し街のゾーンが表現されている。  image006
小学校5年生迷路を思わせる渦巻き状に引かれた道路と、2本の塔が印象的な作品。海辺にはプールサイドに遊具やベンチ、カフェテーブルなどが配置され、リゾートの雰囲気が演出されている。  image013

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第14回 3D・VRシミュレーションコンテスト オン・クラウド

BIM仮想コンペの開催地、大分県杵築市がグランプリ受賞

今回で早くも14回目を迎えた「3D・VRシミュレーションコンテスト オン・クラウド2015」には、日本のほか中国やオーストラリアからの11作品がノミネートに残った。

クラウド上で行われた一般投票と、日本大学理工学部土木工学科の関文夫教授を委員長とする3人の審査員が厳正な審査を行った結果、見事、最優秀の「グランプリ」に輝いたのは、大分県杵築市の「杵築市城下町地区のまちなみ提案確認モデル」だった。

3人の審査員。左から傘木宏夫氏、関文夫氏(審査委員長)、稲垣竜興氏

3人の審査員。左から傘木宏夫氏、関文夫氏(審査委員長)、稲垣竜興氏

この作品は、IAI日本が2009年以来、毎年開催しているBIM仮想コンペ「Build Live Japan」で、2015年の舞台となった大分県杵築市城下町地区のまちなみを、VRモデル化したものだ。

既存のまちなみを3Dレーザースキャナーで計測し、地区内に散在する12カ所の課題敷地を表現した。コンペ参加者の作品は、このモデル上に配置し、設計前と設計後の比較などを行えるようにした。

提案された建築物が既存のまちなみにどう調和するかがわかりやすく表現され、VRの有効性を示した事例として評価された。

また、「準グランプリ 優秀賞」は、ソ.ラ.コンサルティングの「遺跡復元VR」に授与された。昭和63年に発見された福岡市中心部にある国史跡鴻臚館跡を基礎資料としてVR化したものだ。当時の様子がわかる学習資料としても資料館や行政ホームページで活用されている。

●グランプリ
「杵築市城下町地区のまちなみ提案確認モデル」(大分県杵築市)

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●準グランプリ 優秀賞
「遺跡復元VR」(ソ.ラ.コンサルティング)
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●アイデア賞
「VRを用いた地域住民への土石流対策事業に関する説明手法の提案」(三井共同建設コンサルタント株式会社 関西支社)
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●エッセンス賞
「東高瀬川改修シミュレーション2015」(京都市立伏見工業高等学校)
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●審査員特別賞 地域づくり賞(NPO 地域づくり工房代表 傘木宏夫氏)
「~いつかきっと帰りたくなる街づくり事業~ドリームゾーン!淡路市夢舞台サスティナブル・パーク-コンパクトシティーを目指して-」(兵庫県淡路市役所)
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●審査員特別賞 セーフティ賞(道路・舗装技術研究協会理事長 稲垣竜興氏)
「スマート技術体験シミュレーション」(ミツミ電機株式会社)

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●デザイン賞(日本大学理工学部土木工学科教授 関文夫氏)
「地下快速路設計業務」(中国交通運輸部公路科学研究院)

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第5回 学生BIM&VRデザインコンテスト オン クラウド

台湾・基隆港の歩行空間計画がワールドカップ賞に

今回の課題地は台湾北部の基隆港で、初めて日本以外に設定された。市街地再生の起爆剤になるように空間の魅力を加え、使いやすさや省エネルギー、災害への対策など、総合的な価値を実現するするアイデアが求められた。

エントリー総数は77チーム、うち48チーム(日本11、海外37)が6月29日の予選を通過した。10月9日~15日に行われたノミノート審査を勝ち抜いたのは、日本4作品、海外7作品の合計11作品だ。

審査委員会メンバー
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左から池田靖史氏(実行委員長)、花村義久氏、コスタス・テルジディス氏、C・デイビット・ツェン氏、パトリック・ヤンセン 氏

11月19日の最終公開審査で最優秀の「ワールドカップ賞」を受賞したのは、台湾の国立政治大学のチーム「Penta-Planning」による「Keelung Go!」という作品だ。

基隆港の西側には歩行者用のスペースがほとんどなく、駅前には2つのラウンドアバウトにより交通渋滞が発生している。これを解決するため、バストランジットセンターやキス・アンド・ライドなどの新たな交通計画をVRで表現した。

また、優秀賞は金沢大学のチーム「UPL-2015」による「Livelihood, Lift, Life—-Redevelopment of Keelung Station Area in Taiwan」に与えられた。建材の地形や既存の建物などを活用し、既存の港町文化を損なうことなく、交通ハブや文化のゲートウェーとして機能する施設の建設案が評価された。このほか、5つの審査員特別賞が決定した。

●ワールドカップ賞
「Keelung Go!」(Penta-Planning=台湾・国立政治大学)

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●優秀賞
「Livelihood, Lift, Life—-Redevelopment of Keelung Station Area in Taiwan」(UPL-2015=金沢大学)

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●審査員特別賞(池田靖史氏、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授/IKDS代)
「THE U PORT」(4-t-W=法政大学)

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●審査員特別賞(Kostas Terzidis 氏、ハーバード大学 准教授)
「New Keelung Arterial Plan」(UTC-DIAN=ベトナム・交通運輸大学)

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●審査員特別賞(C David Tseng 氏、台湾国立交通大学 人文社会学院院長 / 建築研究所教授)
「Luminous fog marina」(Black Coffee=芝浦工業大学)

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●審査員特別賞(花村義久氏、NPOシビルまちづくりステーション理事長、シビルNPO連携プラットフォーム副代表)
「GREEN FLOW – REDEVELOPMENT FOR THE SUSTAINABLE APPEARANCE」(INED-UTC=ベトナム・交通運輸大学)

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●審査員特別賞(パトリック・ヤンセン氏、シンガポール国立大学)
「EMARA(Easy Mobility and Reactive Area)」(The Magic Team=中国・北京建築工程学院)

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第3回 学生クラウドプログラミングワールドカップ

タクシー配車のシミュレーションシステムがワールドカップ賞に

UC-win/RoadやVR-Cloud®の伝送システムの開発キット(SDK)によるクラウドアプリのプログラミング技術を競うコンテストだ。10月9日~15日のノミネート審査を勝ち抜いた日本1、海外6の7チームが、最終公開審査に臨んだ。

大阪大学大学院工学研究科准教授の福田知弘氏を委員長とする審査委員会では、提出されたソースコードまでを入念に見ながら、厳正に作品の評価を行った。

審査委員会メンバー
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左から福田知弘氏(審査委員長)、羽倉弘之氏、楢原太郎氏、ペンクレアシュ・ヨアン氏

最優秀の「ワールドカップ賞」を受賞したのは、中国・上海大学のチーム「Root」による「Traffic Dispatching Verification System」だ。

このシステムは、タクシーの配車をバーチャル環境でテストするためのシミュレーションプラットフォームを提供することを目的として開発された。シミュレーションを行うシーンを作成し、アルゴリズムを追加するだけで簡単に使用できる点が評価された。

このほか、各審査員から審査員特別賞が授与された。

●ワールドカップ賞
「Traffic Dispatching Verification System」(Root=中国・上海大学)

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●審査員特別賞(福田知弘氏、大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー
工学専攻 准教授)
「Virtual LED」(O.R.T.=中国・上海海事大学)

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●審査員特別賞(楢原太郎氏、ニュージャージー工科大学建築デザイン学部 准教授)
「Anywhere Door」(WindChaser=中国・同済大学)

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●審査員特別賞(羽倉弘之氏、三次元映像学会 代表幹事、デジタルハリウッド大学大学院 特任教授)
「Kinect Explore」(Great Sword=中国・上海交通大学)

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●審査員特別賞(ペンクレアシュ・ヨアン氏、フォーラムエイトVR開発テクニカル・マネージャ)
「SILC Plugin」(SILCreate 悉商智造=中国・上海大学)

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第2回 ナショナル・レジリエンス・デザインアワード

津波荷重を考慮した耐震性能照査にグランプリ

国土強靭化を裏方で支える事例や成果を一堂に集めた「ナショナル・レジリエンス・デザインアワード」は、日ごろ、表に出てくることが少ない構造解析や地盤工学、水工学、防災の分野を対象としたユニークなコンテストだ。

作品審査会メンバー。左から守田優氏、吉川弘道氏(審査委員長)、鵜飼恵三氏

作品審査会メンバー。左から守田優氏、吉川弘道氏(審査委員長)、鵜飼恵三氏

今年は昨年の第1回に引き続き、第2回の開催だ。最優秀の「グランプリ」を受賞したのは、株式会社RATECHによる「レベル2地震動および津波荷重を考慮した耐震性能照査-防潮水門に対する地震動と津波の一連解析-」だった。

既設の防潮樋門がレベル2地震動で損傷した状態で、津波が来襲した場合を想定した耐震性評価という、極めて現実的な評価を行った。動的解析により、現況と耐震補強対策後の検討結果を比較・検証した事例だ。

準グランプリには、株式会社エーバイシーによる「国土強靭化に資するための下水道施設の合理的な耐震補強設計手法-汚泥濃縮タンクの非線形有限要素解析-」が選ばれた。このほか、各審査員が審査員特別賞を授与した。

●グランプリ
「レベル2地震動および津波荷重を考慮した耐震性能照査-防潮水門に対する地震動と津波の一連解析-」(株式会社RATECH)

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●準グランプリ 優秀賞
「国土強靭化に資するための下水道施設の合理的な耐震補強設計手法-汚泥濃縮タンクの非線形有限要素解析-」(株式会社エーバイシー)

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●審査員特別賞(東京都市大学災害軽減工学研究室 教授 吉川弘道氏)
「昭和28年供用の鋼ランガートラス橋の複合非線形解析による現況照査-最適な補修・補強方法を経済的かつ合理的に選定することを目指して-」(株式会社土木技研)

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●審査員特別賞(群馬大学大学院工学研究科 名誉教授 鵜飼恵三氏)
「海岸干拓堤防の動的有効応力解析耐震照査-海成軟弱土層の地震時剛性低下を考慮して-」(株式会社三祐コンサルタンツ)

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●審査員特別賞(芝浦工業大学副学長、工学部土木工学科都市環境工学研究室 教授 守田優氏)
「RC水槽構造物FEM解析-液状化を考慮したレベル2地震動を用いた3次元平板要素モデル時刻歴応答解析事例-」(株式会社ブルドジオテクノ)

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フォーラムエイト・デザインフェスティバル2015で、結果発表が行われた5つのコンテストは、VRやBIM、プログラミングの分野において、参加者層が厚くなり、作品のレベルもこれまで以上に進化している。

フォーラムエイトのソフト開発力と、ユーザーのソフト活用力が相まって、今後もますます高度な作品が登場してきそうだ。

 

【問い合わせ】
 株式会社フォーラムエイト

東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA 棟21F

TEL:03-6894-1888 FAX:03-6894-3888 (各営業窓口はこちらをご覧ください) E

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