新製品防護柵の設計計算リリース
2014年6月22日

プログラム概要

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車両用防護柵は、自動車が道路外へ脱するのを防止し、道路の安全を確保するための構造物です。防護柵の種類としては「剛性防護柵」と「たわみ性防護柵」の2種類がありますが、本プログラムは、このうちの剛性防護柵の安定計算及び構造計算を行うためのプログラムです。

▲メイン画面
  プログラムの機能と特長

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■剛性防護柵の形状

剛性防護柵は前面形状により単スロープ型、フロリダ型、直壁型の3タイプに分類されますが、本プログラムでは単スロープ型とフロリダ型の計算を行うことが可能です(図1)。単スロープ型は車道側が一定傾斜している形状で、フロリダ型は車道側が2段階傾斜となっている形状です。 

▲図1 防護柵の形状

尚、車両用防護柵には標準仕様が定められており、この仕様では傾斜部の角度等が指定されています。しかしながら、現地の状況によっては形状を変更しなければならないことがあります。本プログラムでは形状寸法を自由に設定できますので、標準仕様に合致しない形状でも容易に計算することが可能です。

■作用荷重

車両用防護柵は自動車が衝突することを想定していますので、自動車による衝突荷重が作用外力となります。

防護柵は衝突条件(車両重量,衝突速度,衝突角度)により4つの種別(SC、SB、SA、SS)に分類されており、一般的にはこの種別と形状により衝突荷重値を決定します。

本プログラムでは、初期入力画面(図2)で形状タイプと種別を選択すれば衝突荷重値を自動決定しますが、車両重量等の条件を指定して衝突荷重値を内部計算する「条件指定」や、衝突荷重値を直接入力する「直接指定」も選択できるようにしています(図3)。尚、安定計算では、衝突荷重の他に防護柵重量も考慮して計算を行います。

 

▲図2 初期入力画面 ▲図3 衝突荷重画面

 

 

■照査内容

本プログラムで検討することができる照査内容は、以下の通りです。

  • 安定計算(転倒、滑動、地盤反力)
  • 構造計算(曲げ応力度照査)

転倒に対する照査では、衝突荷重によるモーメントを転倒モーメントとし、防護柵重量によるモーメントを抵抗モーメントとして安全率を算出します。滑動に対する照査では、衝突荷重を滑動力とし、防護柵重量に摩擦係数を乗じたものを抵抗力として安全率を算出します。抵抗力には受働土圧を考慮することも可能です。地盤反力に対する照査では、転倒モーメントと防護柵重量による偏心を考慮した地盤反力を求め、指定した許容支持力度との比を安全率とします。これらの安全率は、何れも1.2を超えるようにする必要があります。

尚、衝突荷重Fは通常1ブロック当たりの荷重として与えられますので、Fを総延長で除して単位幅当たりに変換する必要がありますが、この時の総延長は、転倒及び地盤反力度では最大50(m)、滑動では最大10(m)となります。

構造計算では、縦方向(高さ方向)と横方向(道路縦断方向)に対して曲げ応力度の照査を行います。

縦方向の計算は、曲げモーメントが作用する矩形のRC断面としてで計算を行います。指定された照査位置(図4)の断面幅に対して奥行き1m当たりの矩形断面となります。横方向の計算は、曲げモーメントが作用する矩形のRC断面として計算を行います。天端から指定された位置(図5)での断面幅×全高の矩形断面となります。

尚、縦方向、横方向ともに衝突荷重による曲げモーメントを考慮します。

 

▲図4 照査位置画面(縦方向) ▲図5 照査位置画面(横方向)

■3Dモデル表示対応

国土交通省では、3Dモデルの活用による設計の可視化等を目的としたCIMの導入を進めています。本プログラムでは、躯体コンクリートや基礎地盤面の3D表示に対応しています。また、これらの表示単位毎に表示有無や表示方法(塗りつぶし、テクスチャ、ワイヤーフレーム)を選択することが可能です。更に、塗りつぶし時やテクスチャ時の透過率指定にも対応しています。テクスチャにつきましては、コンクリート用、地盤面用の画像を用意しておりますが、BMP形式、JPEG形式の任意の画像を指定することも可能です。

 

▲図7 テクスチャ表示 ▲図8 ワイヤーフレーム表示

また、3Dモデルのエクスポート形式も充実させ、従来のBMP、3DS、3DPDF、VRML形式の他に、IFC形式やNemetschek社の3次元土木建築CADであるAllplanで読み込み可能な形式で出力することが可能です。今回の3Dモデル表示拡張により、弊社UC-win/Roadなどの3D景観設計に対応したソフトに幅広くご利用頂けるものと思います。

詳しくは、フォーラムエイトのウェブサイトで。

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