FARO、中国郊外にて建築教育のサポートを展開
2014年11月17日

苗族 遺跡

(写真)中国、貴州省凱里は、少数民族ミャオ族の居住地域。

歴史を学び、保存する際、特に建築が関わる場合、伝統的な工具や技術ではうまくいかないことがよくあります。皮肉なようですが、現代の先進技術を駆使した機器によって、複雑な建築情報を保存することで、後世の人達が鑑賞・感嘆できるようになります。事実、最高レベルかつ最先端の技術を利用したことが、大学教授、講師および学生のチームが2013 年半ばに3 週間でやり遂げたプロジェクトと言っても過言ではありません。香港大学の建築学部と清華大学(北京)の建築学部が共同で計画した、建築デザイン夏季プログラムの一環として、この研修旅行が行われました。チームの重要な目標の1つが、中国貴州省凱里の少数民族であるミャオ族とトン族の生活の特徴を表すユニークな建築物を研究・記録することでした。

ミャオ族の独自の構造物を保存するという壮大なプロジェクトをサポートするため、ポータブル高速3DレーザースキャナーのFARO Laser Scanner Focus3D を使い、厳選された構造物の詳細な測定とデジタルドキュメント化が行われました。凱里市で1 週間に渡り、Focus3D を駆使して調査が行われ、Focus3D は正確な結果を提供し、学生の学習体験に多大な貢献をしました。

素晴らしい建築技術をもつ少数民族

2000 年実施の中国国勢調査によると、中国には900万人余りのミャオ族が存在し、その半分余りが貴州省に居住しています。貴州省の中でも、ミャオ族が最も住んでいる密集地域(約27.4 万人)が凱里市であり、そのため凱里市がこの建築研究の旅に選ばれたのでした。建築学的にみると、凱里市という場所がミャオ族という民族にとって独自の居住および都市構造を凝縮しているから、人口が密集していると言えるでしょう。

苗族 遺跡

Focus3D を使って、典型的なミャオ族の住居 (左)および風水橋(右)をスキャン。

“高床式住居”と呼ばれる伝統的な住居のデータアーカイブとデジタルインフォメーションモデリングができたことは、この旅の大きな成果であったと言えます。ミャオ族は建築に誇りを持っており、自分達の住居にとって理想的な場所の選定を非常に重視しています。

一般的に、山の尾根、斜面の高みで山々に囲まれた場所、あるいは美しい景色が見える水辺の日当たりのいい場所を好んで、住居を建設しています。さらに、ミャオ族の住居のデザインは、人々のライフスタイルのニーズを考慮しています。上層階は通常、部屋や居住空間で、下層階は家畜の飼育や貯蔵庫として使用されています。建築様式は、仕事、家族、交流から、宗教的な崇拝、祭りや祝い事に至るまで、ミャオ族の様々な生活を反映しています。研究者たちにとって、村の風水橋は、もう1つの重要な研究対象でした。大きな左右対称な形をした屋根付きの橋は、その独自の建築要素で、そこを訪れる学者達の大きな関心を引いていました。村の象徴ともいえる風水橋は、ミャオ族の独特の建築スタイルを反映し、コミュニティが集まる重要な公共の場でもあります。

続きは、FAROのウェブサイトで。

(Visited 1 times, 1 visits today)
関連記事
Translate »