ArchiCAD BIM事例 一級建築士事務所 エイチ・アーキテクツ
2014年11月17日

建物全景(竣工時)建物全景(竣工時)

天空率からプラン、モデル、構造、全ての図面までフルBIMでつくる変形敷地の木造3階建て住宅

BIMの活用と言えばゼネコンなど大手企業のプロジェクトを連想しがちだが、近年は個人事務所の設計者が戸建て住宅にBIMを利用するケースも増えている。東京新宿区のエイチ・アーキテクツは設立2年目の一級建築士事務所である。代表の橋本啓太氏は独立を機にArchiCADを導入し、新事務所での初仕事として木造3階建て個人住宅の設計を受注。ArchiCADによるBIMをフル活用し、見事にこれを成功させた。大きな成果を上げたBIM初挑戦の詳細について、橋本氏にうかがった。

建物全景(設計時)
建物全景(設計時)

BIMの登場は建築業界の必然である

橋本 啓太 氏

一級建築士事務所 エイチ・アーキテクツ
代表 橋本 啓太 氏

「それまで2次元CADしか使ってなかったのに、独立を機にArchiCADを導入しBIMを使い始めたのは、それが歴史的必然だと思ったからです」。開口一番、橋本氏はそう言って笑みを浮かべた。同氏がこう考えるようになったきっかけは独立前の勤務先で見た、複数のBIMソフトのプレゼンだったという。橋本氏が当時勤務していた事務所でBIM導入の動きが始まっていたのである。

「私は手描き図面を経験した最後の世代に当たります。手描きから2次元CAD、そして3次元CGにも触れ、ツールの進化を身をもって体験してきました。だからこそ図面とパース、モデルの全てを統合するBIMの登場は、建築業界にとって必然的な流れと感じたのです」。独立したらBIMを導入しよう。そう決めたこと自体が、ある意味橋本氏の背中を押したのかもしれない。独立を具体化していく上で定めていた目標に、BIMという新要素が大きく影響したのである。たとえば最初は小規模な個人事務所として開設するから、省力化と省スペースが重要になる。そのために橋本氏が考えた方針が「建築模型を作らない」ことだった。

「模型は好きでしたが、材料や完成品の置場に場所を取るし手間もかかり、外注すればコストも発生します。できれば作りたくなかったんですが、BIMでそれが可能になったんです。しかも、モデルと連動した整合性の高い図面で手戻りも減らせる。省力化が必要な個人事務所に最適でした」。

では、具体的にどのBIMソフトを選ぶべきなのか。コストダウンが大前提なのは当然として、橋本氏が選定ポイントとして重視したのは、非力なコンピュータでも軽快に動かせるパフォーマンスの高さと、これも小規模事務所に不可欠なプレゼンテーション機能の充実である。

「いろんな場所で作業したかったのでラップトップ、それも強力なPCでなくても軽快に動くソフトが望ましい。パースも外注する余裕はありませんから、私が簡単に作れるものが欲しかったんです。そんな思いで試した結果、行き着いたのがArchiCADのSolo版でした」。十分な機能を備えながらレギュラー版の半額以下で買えるSoloは、独立を目指す者にとって非常に魅力が大きいと強調する橋本氏だが、同時に小さく苦笑いを浮かべた。

「でも、実は最後の決め手は操作感だったんです。ArchiCADは画面も操作も直感的ですごく私の感覚にフィットするんですよ。論理的とは言えませんが、デザイナーとしてのこだわりですね」

北東側ファサード
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続きは、グラフィソフトジャパンのウェブサイトで。

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