ArchiCAD BIM事例/株式会社 大澤設計事務所
2014年12月23日

ArchiCAD BIM事例レポート 株式会社 大澤設計事務所

プロポーザル用パースプロポーザル用パース

BIM を活かし、設計者としてできる全てを 小規模事務所が進める新・業務効率化戦略

福井県福井市にオフィスを置く大澤設計事務所は、一級建築士の大澤宏輝氏が主宰する建築設計事務所である。2007年に設立され8年目を迎えた同事務所は、医療福祉関係を中心に幅広い建築の設計・監理を手がけ、着実な成長を続けている。だが、その一方で2次元CAD による設計業務の展開に限界を感じていた大澤氏は、設計事務所として次なる一歩を踏み出すべく、BIM への展開も視野に入れた3次元CAD の導入を開始した。その背景と狙いについて、大澤氏とスタッフの皆さんにお話を伺った。

大澤 宏輝 氏

株式会社 大澤設計事務所 代表取締役 一級建築士・設計専攻建築士 (日本建築士会連合会認定) 登録建築家 (社団法人日本建築家協会認定) 福祉住環境コーディネーター 木造住宅耐震診断士 ファイナンシャルプランナー(AFP) 大澤 宏輝 氏

大澤早苗 氏

カラーコーディネーター 大澤早苗 氏

河本 光代 氏

一級建築士 福祉住環境コーディネーター 河本 光代 氏

設計事務所としてのステップアップのために

「普通のオフィスや店舗、個人住宅も計画しますが、独立前に務めていた事務所で多く手がけていた関係もあって、医療福祉系が多くなっています。医療系では多様なクリニック、福祉系は特別養護老人ホームやデイサービスセンターです」。

医療福祉系を多く計画するうち、大澤氏はこの分野ならではの大きなやりがいを感じるようになっているという。たとえば特別養護老人ホームの場合、全国で40数万人が入居中だが、順番待ちの方も同じくらい多い。極論すればどんな建物でも「建てれば満室」の状況なのだ。

「だからといって効率優先の建物が入居者のために良いとは思えないのです。たとえば特養ホームの入居者は65歳以上ですから、今の環境ではなく“その人たちが育ってきた環境”を意識して設計したいんですよ。いわば“家”の感覚ですね。そういう部分に、私は大きなやりがいを感じます」。

だからこそ、時には効率重視の運営側の意向と相反してしまうこともあるが――と大澤氏は苦笑いする。このように、言わば日々葛藤を繰り返しながら3名のスタッフと常時複数のプロジェクトを動かす大澤設計事務所の日常は、過密なスケジュールに追われることが多かった。

「設計者としてもっと新しい技術やノウハウにも挑戦したいし、設計品質も向上させたいのに、そのための時間が取りにくいのです。若い人も育てたいし、これでいいのか、ずっと疑問でした。そんな時に出会ったのが ArchiCAD でした」。

それまで大澤氏らはフリーウェアの2次元 CADを設計に使用していたが、度重なる修正や変更へのスピーディな対応が難しく、時間ロスの要因になっていた。しかもパース等の作成に使えないため外注せざるを得ず、そこにも時間やコストの無駄が生まれていた。そこで大澤氏が考えたのが3次元設計の導入だ。これを上手く活用することで効率化を図り、さらにBIM への展開により新技術の導入にも繋げていこうというのである。

こうした経緯を経て、2013年夏、大澤氏は3次元CAD の導入検討を開始した。業界で広く知られた3製品を選び、比較検討を進めていったのである。同氏が求めたのは、設計事務所の業務をトータルに支援して作業効率と設計品質を向上させ、さらにはBIM への展開も可能にするCAD である。そこには基本計画からプレゼン、詳細設計までトータルに、これ1本でやりたいという大澤氏自身の強い思いがあった。そして、これに応えたのが ArchiCAD だった。

T邸パース
T邸パース
逗子の家 断面パース プレゼン用
(左上)配置図兼平面図、(右上)断面図、(左下)立面図1、(右下)立面図2

詳しくは、グラフィソフトジャパンのウェブサイト

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