次期世界遺産候補のデジタル化プロジェクトをサポート
2015年7月18日

次期世界遺産の候補となる日本の文化遺産のデジタル化プロジェクトをトプコンのスキャン技術がサポート

2015年6月28日から7月8日まで第39回世界遺産委員会がドイツのボンで開催され、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」 が世界遺産一覧表に記載されることが決定しました。あわせて世界遺産の次期候補となる鹿児島県伊佐市の曽木発電所遺構の3Dアーカイブ(三次元データによ る保存)化が米国のNPO法人CyArk(サイアーク)社*より発表されました。

曽木発電所遺構は鹿児島県の伊佐市に位置し、牛尾大口金山の電源供給を目的とした水力発電所として明治42年に建設され たもので、昭和41年に鶴田ダムの完成により大鶴湖に沈下、年間三分の二の期間ダムの中に沈んでいるという環境下にあり、初夏から秋にかけてのみ遺構の姿 を見ることができます。

世界遺産の登録を推進する一般財団法人産業遺産国民会議とCyArk社が合意し、次期候補として鹿児島県伊佐市の曽木発 電所遺構の3D アーカイブ化が実現しました。CyArk社は、世界500箇所の世界遺産を3Dスキャンし高精度な3次元モデルをオンライン公開するというグローバルプロ ジェクト”CyArk 500 チャレンジ” を推進中で、米国のマウントラッシュモアやオーストラリアのシドニーオペラハウス、カンボジアのアンコールワットに続き、曽木発電所遺構が選定されまし た。今回のプロジェクトで現在の状況を実測値に基づいて3Dデータ化する事により、将来にわたり遺産の維持や修復時に利用できる重要なデータを持つことが 可能になるとともに、三次元画像として視覚化することで後世にこの遺産を伝承することが可能になりました。

日本の産業遺産のアーカイブ化にあたり株式会社トプコン(本社:東京都板橋区、代表取締役社長:平野 聡)は、日本のスキャナーメーカーとして全面的にスキャニング作業を支援。地上型3DレーザースキャナーGLS-2000を始めとする3D点群データ取得 ソリューションを駆使し、UAVによる空撮と、モバイル・マッピング・システムIP-S3による入口から対象物までのアプローチ道路の観測を実施、遺構の 周囲にまで及ぶ広範囲のアーカイブ化を行いました。これら最先端のソリューションの活用により、限られた期間に短時間で完璧な3Dデータの収集に成功致し ました。

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曾木遺構3Dモデリングデータ

*CyArk社:世界遺産の3Dアーカイブ化の先駆者として知名度の高い米国のNPO法人。文化遺産が自然災害により失われたり、戦争によって破壊されたりする前に3Dアーカイブ化してオンラインライブラリーを作成する活動を国際的に展開している

曾木遺構のデジタルアーカイブ

http://www.cyark.org/projects/sogi-power-plant

詳しくは、トプコンのウェブサイトで。

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